花粉症と風邪の違いとは?セルフチェックで花粉症か確かめてみよう

これって風邪? それとも花粉症? 天候不順な春先には迷うことがありますよね。迷ったらセルフチェックで症状を見極め、正しい治療や対策につなげましょう。

風邪と花粉症の違いを見極める

花粉症の症状と風邪の症状は似ていますが、くしゃみの出かたや、鼻みずの状態に異なる特徴があります。発熱の有無や、目のかゆみの有無なども、花粉症か風邪かを見極めるポイントです。

花粉症の症状

花粉症のくしゃみは、花粉が鼻の中に入ると、すぐに連続して出てきます。家から外に出て数分以内にくしゃみが連発したら、花粉症かも。
鼻みずの状態は、水のようにさらっとして透明。何気なくうつむいたら、水のような鼻みずがたれた……なんてこともあります。
花粉症では症状が強くなる時間帯があります。朝起きたときと、花粉の飛散量が多い昼頃と夕方に、くしゃみが連発する、何度も鼻をかまなくてはいけない、など悩まされることになります。
このほか、目のかゆみや充血などのアレルギー性結膜炎の症状やのどのイガイガ感、せきなどの咽頭異常も出ることがあります。通常、花粉症の場合発熱することはまれで、発熱してもごく微熱です。しかし、頭痛や倦怠感で不調を訴える人は少なからずいます。
これらの症状が花粉の飛散時期に起こり、2週間以上続く場合は、花粉症を強く疑いましょう。

風邪の症状

一方、風邪でくしゃみが出るのは、冷たい空気を吸い込んだときなど。連続して出ることはまれで、1回から数回で治まります。鼻みずの状態は、黄色っぽくて、ねばり気があることがあります。鼻をかんだ後、ちょっとチェックしてみましょう。これらの症状は、時間に関係なくあらわれ、1日中同じ程度の症状があります。のどが赤くなり、痛んだり、せきや痰が出たり、高熱が出たり、悪寒を感じたりと、全身症状に悩まされることもしばしばです。
ただし、これらの症状が続くのは、通常数日間です。

花粉が活発に飛散する時期を知る

花粉症は、アレルギー反応を起こす花粉が飛散している間だけ、症状が出るのが大きな特徴です。
花粉の飛散量が多い時期はとくに症状が強く出るので、日々、花粉の飛散量をチェックして、対策に生かすことが大切です。たとえば、スギ花粉は2月から4月が飛散のピークなので、この時期は、天気予報の花粉飛散予測、各自治体の花粉飛散情報、「環境省花粉観測システム(はなこさん)」などを利用して、飛散情報をこまめにチェックしましょう。「はなこさん」は、花粉シーズン中、1時間おきに各地の観測地点から花粉飛散データが自動送信され、情報が更新されていますので、リアルタイムの情報がわかります。

主な花粉の飛散時期については、こちら をご覧ください。

治療法の違いとは

くしゃみや鼻みずなど似たような症状でも、病気が違えば治療法も異なります。合わない治療をしていても、症状は改善されません。

花粉症の治療

花粉症のつらい症状を改善する際、もっとも大切なことは、花粉症の原因となる花粉を体内に取り込まないことです。しかし、約2カ月続く花粉シーズン中、花粉を寄せ付けずに生活することは困難です。極力、体の中に花粉を入れないために、外出時はマスク、花粉症用のメガネなどでガードして、外出時は家の中に花粉を持ち込まないようにしましょう。さらに、適切な治療を行うことでつらい症状を抑えていきましょう。

お薬で症状を抑える

抗アレルギー薬の内服薬、点鼻薬、点眼薬などを利用します。花粉症の治療薬の組み合わせにはいくつかありますので、症状のタイプ(病型)が、主にくしゃみ・鼻みず なのか、それに鼻づまりを伴うのか、さらにそれぞれの重症度が考慮されて処方されるお薬が決まります。主治医に自分の症状のタイプや重症度を伝え、相談してください。薬局、ドラッグストアで購入する場合は、自分の症状や眠くならない薬がいい、など薬剤師に伝え薬を選んでもらうとよいかもしれません。

アレルゲン免疫療法

アレルゲン免疫療法とは、原因となっている花粉の抗原エキスを、注射薬や舌下薬で体に少しずつ入れて慣らしていくものです。花粉症の根治が期待できる唯一の治療法で、約70%の人に効果があるといわれています。ただし、効果が出るまでには数年の時間を要するため、いまある症状を抑えることはできません。次のシーズンに向けてオフシーズンから開始することが推奨されています。

手術

鼻づまりがひどい人に対して、鼻の粘膜(下鼻甲介)を切除して小さくする手術を行うことで鼻の通りをよくしたり、くしゃみや鼻みずに関係する神経を切って、症状を軽くする手術もあります。また、鼻中隔弯曲などの鼻腔形態が悪い場合には、鼻づまりの症状が余計に強く出ます。鼻中隔弯曲矯正術といった手術を併せて行うことが勧められます。現在は日帰り手術も可能になってきましたので、気になる症状がある人は専門病院で相談してみてください。

風邪の治療

以前は風邪の治療に抗生物質(抗菌薬)を処方されることもありましたが、風邪の原因のほとんどはウイルス感染ですから抗生物質では治癒しません。ただし、細菌感染による咽頭炎や副鼻腔炎などがある場合は、抗生物質を使います。

十分な睡眠と休養・適切な水分補給と栄養の摂取

喘息などの持病がないもともと健康な人でしたら、十分な睡眠をとり、体を休め、水分と栄養を適切にとることで、数日で自然に治ります。ただし、高熱がある場合は、自己判断せず、病院でインフルエンザの検査を受けるようにしましょう。インフルエンザと風邪は別の病気です。こちらも治療法が異なります。

風邪に伴う症状がつらい場合は、症状に応じ薬で治療する

  • 鼻みず→抗ヒスタミン薬
  • せき→せき止め薬
  • のどの腫れ→うがい薬
  • 発熱→解熱薬
  • 頭痛や関節痛→鎮痛薬

花粉症の簡単なセルフチェック

  1. □ 鼻みずが水のようにさらっとして透明
  2. □ くしゃみが連続して出る
  3. □ 症状は朝起きたとき、昼頃、夕方に強くなる
  4. □ 症状は花粉の飛散時期に2週間以上つづく
  5. □ 目のかゆみや充血もある
  6. □ 熱はない(あっても微熱)

花粉症か風邪かで悩んだら、以下の表をご参考ください。

アレルギー性
鼻炎
風邪
鼻みずの状態 水のようにさらっとして透明。 黄色っぽくねばりがあることがある。
くしゃみの出かた 花粉やハウスダストなどアレルギーの原因となるものが鼻の中に入るとすぐに連続して出る。 冷たい空気を吸い込んだときなどに1回から数回でる。
症状が強くなる時間帯 花粉症は朝方、花粉が多く飛ぶ昼頃と夕方。 一日中同じ程度の症状がある。
症状が続く期間 花粉症は2週間以上、花粉の飛散期に起こる。 数日間。
くしゃみ、鼻みず、
鼻づまり以外の病状
アレルギー性結膜炎のために目のかゆみなどが出ることがある。せきやのどがイガイガするといった咽喉頭異常、頭痛や倦怠感などがでることがあるが、発熱することはない。 のどの痛み、せき、痰など、悪寒や発熱。

教えてくれた先生

松脇 由典 先生
松脇 由典 先生
医療法人社団 恵芳会
松脇クリニック品川 院長
耳鼻咽喉科・アレルギー科医師
松脇クリニック品川
【略歴】
1994年3月
東京慈恵会医科大学 医学部 医学科卒業
1994年5月
東京慈恵会医科大学付属病院にて研修開始
2006年8月
東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科講座 講師
医療法人社団恵芳会 松脇クリニック品川 
理事長
現在に至る
【学会】

日本耳鼻咽喉科学会・専門医/日本アレルギー学会・専門医/日本鼻科学会
耳鼻咽喉科臨床学会/耳鼻咽喉科短期滞在手術研究会/
品川気道アレルギー研究会・代表
アレルギー・好酸球研究会

【賞罰】
平成24年
日本鼻科学会 第19回学会賞
平成18年
米国アレルギー喘息免疫学会 
Featured presentation
平成17年
東京慈恵会医科大学 金杉賞
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