女性でも体内で微量に男性ホルモンが合成されるため、毛髪に影響を及ぼすメカニズムは男性とほとんど同じです。ただし男性と異なる点は、薄毛や脱毛の原因が単にホルモンの影響だけにはとどまらない点です。
女性の脱毛・薄毛の要因には、壮年性脱毛症の他にも、出産や高熱、過度なダイエットによる「休止期脱毛症」や、膠原病、慢性甲状腺炎、鉄欠乏性貧血、亜鉛欠乏症などの全身性疾患によって生じる「びまん性脱毛症」などがあり、それぞれの要因によって対処も異なってきます。
女性の壮年性脱毛症の場合は、1％のミノキシジル外用薬が有効です。1％のミノキシジル外用薬は、薬局・ドラッグストアで薬剤師に相談の上、購入することができます。

ミノキシジルは「壮年性脱毛症」に有効な成分であるため、それ以外の要因による可能性が高い脱毛・薄毛には使用しないことが基本です。「壮年性脱毛症」以外の要因による脱毛とは以下のような例です。これらの場合はミノキシジルの使用は向きません。

◆未成年（20歳未満）の脱毛
→　国内での使用経験がなく、ミノキシジルがどのような影響を体に及ぼすかが検証されていないため使用しないでください。

◆妊娠・出産に伴う脱毛（ならびに授乳中の場合）　
→　壮年性脱毛症以外の脱毛症である可能性が高く、妊娠中の使用については安全性が十分に確認されていないため、ミノキシジルの使用は向きません。また、ミノキシジルは母乳中にも移行するため使用しないでください。

◆避妊用ピルをやめたことによる脱毛　
→　壮年性脱毛症以外の脱毛症である可能性が高いため、ミノキシジルの使用は向きません。

◆急激なダイエットによる脱毛　
→　壮年性脱毛症以外の脱毛症である可能性が高いため、ミノキシジルの使用は向きません。

＜他にも「壮年性脱毛症」以外の脱毛である可能性が高いのは…＞
さらに、以下のような脱毛や薄毛は「壮年性脱毛症」である可能性が高いため、ミノキシジルの使用は向きません。

◆日常的にポニーテールなど髪を頭皮から強く引っ張るような髪型をしていることによる脱毛。
◆頭髪が簡単に抜ける、脱毛部分が円形や楕円形で、脱毛部分に産毛がない状態。
◆眉毛など頭髪以外の体毛が脱毛している状態。
◆頭頂部だけでなく側頭部や後頭部も含めた頭部全体が脱毛している状態。
◆膠原病、甲状腺疾患、貧血、亜鉛欠乏症などに起因する脱毛。

＜ミノキシジルの副作用の可能性がある症状とは＞
また、ミノキシジルの使用によって以下のような症状が現れた場合には、直ちに使用を中止し、医師または薬剤師に相談しましょう。
◆頭皮の発疹・発赤^※、かゆみ、かぶれ、ふけ、使用部位の熱感など。
※頭皮以外にあらわれることもあります。
◆頭痛、気が遠くなる、めまいなど、精神神経系の症状。
◆胸の痛み、心拍が速くなるなど循環器系の症状。
◆原因のわからない急激な体重増加、手足のむくみなど代謝系の症状。

＜ミノキシジルの使用前に医師または薬剤師に相談したほうがいい人とは＞

◆今までに薬や化粧品などによりアレルギー症状（発疹・発赤、かゆみ、かぶれなど）を起こしたことがある人。

◆高血圧の人、低血圧の人。
→　血圧に影響を及ぼす可能性が考えられます。

◆心臓または腎臓に障害のある人。
→　心臓や腎臓に影響を及ぼす可能性が考えられます。

◆むくみのある人。
→　むくみを増強させる可能性が考えられます。

◆家族、兄弟姉妹に壮年性脱毛症の人がいない人。
→　壮年性脱毛症の発症には遺伝的要因が大きいと考えられます。

◆高齢者（65歳以上）
→　一般に高齢者では好ましくない症状が発現しやすくなります。

◆甲状腺機能障害（甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症）の診断を受けている人。
→　甲状腺疾患による脱毛の可能性があるため。