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ビフィズス菌と乳酸菌の違いとは? 似て非なる2つの善玉菌について

ビフィズス菌と乳酸菌の
違いとは?
似て非なる2つの善玉菌に
ついて

腸内にすむ善玉菌のイメージイラスト 腸内にすむ善玉菌のイメージイラスト

ビフィズス菌と乳酸菌はどちらも体によい働きをしてくれる“善玉菌”ですが、実は似て非なるものだということをご存じでしたか? この記事では、ビフィズス菌と乳酸菌それぞれの菌の特徴や働きをご紹介します。その違いを知り、効果的に取り入れていきましょう。

ビフィズス菌と乳酸菌はどちらも体によい働きをしてくれる“善玉菌”ですが、実は似て非なるものだということをご存じでしたか? この記事では、ビフィズス菌と乳酸菌それぞれの菌の特徴や働きをご紹介します。その違いを知り、効果的に取り入れていきましょう。

監修

監修

京都府立医科大学大学院医学研究科 生体免疫栄養学 教授 内藤 裕二先生の画像 京都府立医科大学大学院医学研究科 生体免疫栄養学 教授 内藤 裕二先生の画像

内藤 裕二先生(ないとう・ゆうじ)
京都府立医科大学大学院医学研究科 生体免疫栄養学 教授

内藤 裕二先生(ないとう・ゆうじ)
京都府立医科大学大学院医学研究科 生体免疫栄養学 教授

1983年京都府立医科大学卒業、2001年米国ルイジアナ州立大学医学部分子細胞生理学教室客員教授として渡米。帰国後は、(独)科学技術振興機構科学技術振興調整費研究領域主幹、09年京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学准教授、15年本学附属病院内視鏡・超音波診療部部長、21年から現職。著書に、『消化管(おなか)は泣いています』(ダイヤモンド社)『すべての臨床医が知っておきたい腸内細菌叢』(羊土社)『健康の土台をつくる 腸内細菌の科学』(日経BP)など多数。

1983年京都府立医科大学卒業、2001年米国ルイジアナ州立大学医学部分子細胞生理学教室客員教授として渡米。帰国後は、(独)科学技術振興機構科学技術振興調整費研究領域主幹、09年京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学准教授、15年本学附属病院内視鏡・超音波診療部部長、21年から現職。著書に、『消化管(おなか)は泣いています』(ダイヤモンド社)『すべての臨床医が知っておきたい腸内細菌叢』(羊土社)『健康の土台をつくる 腸内細菌の科学』(日経BP)など多数。

(1)ビフィズス菌と乳酸菌は、腸内細菌の「善玉菌」の代表格

(1)ビフィズス菌と乳酸菌は、腸内細菌の「善玉菌」の代表格


善玉菌のイメージイラスト 善玉菌のイメージイラスト

■腸内細菌と腸内フローラって何?
腸内細菌とは、小腸や大腸など私たちの腸内に生息している細菌のこと。私たちが日常的によく聞く、ビフィズス菌や乳酸菌なども腸内細菌の一種です。人の腸内にはおよそ100兆個、1000種類以上の腸内細菌がすみついているといわれます。
これらの細菌が、同じ種類ごとにかたまりになって存在している様子はお花畑のように見えることから、「腸内フローラ」(floraは英語で“植物群”の意味)、あるいは「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」と呼ばれています。

■腸内細菌に大切なのは、バランスと多様性
腸内細菌は大きく、善玉菌(=体によい働きをする有用菌)、悪玉菌(=体に悪い働きをする有害菌)、そのどちらにも属さない日和見菌(ひよりみきん)の3つに分類されます。ビフィズス菌や乳酸菌は善玉菌の代表的な菌です。
ただし、条件によっては善玉菌でも体に悪影響を与えることもあり、悪玉菌と呼ばれている菌の中にも体に有益な働きをする菌がいることが分かっています。腸内細菌はお互いに助け合いながら健康を維持するため、多様性に富んだ腸内細菌がバランスよく存在していることが大切です。

■腸内細菌と腸内フローラって何?
腸内細菌とは、小腸や大腸など私たちの腸内に生息している細菌のこと。私たちが日常的によく聞く、ビフィズス菌や乳酸菌なども腸内細菌の一種です。人の腸内にはおよそ100兆個、1000種類以上の腸内細菌がすみついているといわれます。
これらの細菌が、同じ種類ごとにかたまりになって存在している様子はお花畑のように見えることから、「腸内フローラ」(floraは英語で“植物群”の意味)、あるいは「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」と呼ばれています。

■腸内細菌に大切なのは、バランスと多様性
腸内細菌は大きく、善玉菌(=体によい働きをする有用菌)、悪玉菌(=体に悪い働きをする有害菌)、そのどちらにも属さない日和見菌(ひよりみきん)の3つに分類されます。ビフィズス菌や乳酸菌は善玉菌の代表的な菌です。
ただし、条件によっては善玉菌でも体に悪影響を与えることもあり、悪玉菌と呼ばれている菌の中にも体に有益な働きをする菌がいることが分かっています。腸内細菌はお互いに助け合いながら健康を維持するため、多様性に富んだ腸内細菌がバランスよく存在していることが大切です。

(2)ビフィズス菌と乳酸菌は、実は人と昆虫くらい違う!

(2)ビフィズス菌と乳酸菌は、実は人と昆虫くらい違う!


手に持ったカブトムシを虫眼鏡で見ている女の子の写真 手に持ったカブトムシを虫眼鏡で見ている女の子の写真

■ビフィズス菌と乳酸菌の分類上の違い
「善玉菌」の代表格であるビフィズス菌と乳酸菌は、名前はよく知られているものの、「2つの菌は同じもの」「ビフィズス菌は乳酸菌の一種」と思っている人も少なくないようです。しかし、この2つの菌は全く別もの。そもそも、細菌の分類上の違いがあります。
腸内細菌は、アクチノバクテリア門、ファーミキューテス門、バクテロイデス門、プロテオバクテリア門の4つの大きなグループ(最近、門の名前が変更されましたが、ここでは以前の名前を使用しています)に分類されますが、ビフィズス菌はアクチノバクテリア門、乳酸菌はファーミキューテス門に属しています。
「門(もん)」は分類上の階級で、ここからさらに、綱(こう)・目(もく)・科(か)・属(ぞく)・種(しゅ)と、どんどん枝分かれし、最終的に1000種類もの腸内細菌に分類されます。「門」レベルで違うということは、動物でいえば人と昆虫やクラゲほどの違い。つまり、ビフィズス菌と乳酸菌は、祖先から全く違うというわけです。
また、細菌の形もビフィズス菌は分枝状、V字状、Y字状、こん棒状など様々なタイプがあるのに対し、乳酸菌は球状の球菌と細長い桿菌(かんきん)のいずれかです。

■ビフィズス菌と乳酸菌の分類上の違い
「善玉菌」の代表格であるビフィズス菌と乳酸菌は、名前はよく知られているものの、「2つの菌は同じもの」「ビフィズス菌は乳酸菌の一種」と思っている人も少なくないようです。しかし、この2つの菌は全く別もの。そもそも、細菌の分類上の違いがあります。
腸内細菌は、アクチノバクテリア門、ファーミキューテス門、バクテロイデス門、プロテオバクテリア門の4つの大きなグループ(最近、門の名前が変更されましたが、ここでは以前の名前を使用しています)に分類されますが、ビフィズス菌はアクチノバクテリア門、乳酸菌はファーミキューテス門に属しています。
「門(もん)」は分類上の階級で、ここからさらに、綱(こう)・目(もく)・科(か)・属(ぞく)・種(しゅ)と、どんどん枝分かれし、最終的に1000種類もの腸内細菌に分類されます。「門」レベルで違うということは、動物でいえば人と昆虫やクラゲほどの違い。つまり、ビフィズス菌と乳酸菌は、祖先から全く違うというわけです。
また、細菌の形もビフィズス菌は分枝状、V字状、Y字状、こん棒状など様々なタイプがあるのに対し、乳酸菌は球状の球菌と細長い桿菌(かんきん)のいずれかです。

(3)ビフィズス菌は大腸に、乳酸菌は小腸にすんでいる

(3)ビフィズス菌は大腸に、乳酸菌は小腸にすんでいる


ビフィズス菌は大腸に、乳酸菌は小腸にすんでいるイメージのイラスト ビフィズス菌は大腸に、乳酸菌は小腸にすんでいるイメージのイラスト

■大腸で圧倒的多数を占めるビフィズス菌
ビフィズス菌と乳酸菌の大きな違いの1つに、生息している場所が挙げられます。
ビフィズス菌は酸素のあるところで生育できない「偏性嫌気性菌(へんせいけんきせいきん)」です。このため、人間の消化器の中でビフィズス菌がすめるのは大腸、それも酸素がほとんど届かない大腸の最後部、S状結腸から直腸の腸内フローラの中になります。
一方、乳酸菌も酸素が嫌いな嫌気性菌ですが、「通性嫌気性菌」といって、ある程度酸素があっても生育することができ、ほとんどが小腸にすんでいます。また、自然界にも存在し、ヨーグルト、チーズ、ぬか漬け、キムチ、みそなどの発酵食品にも含まれています。
大腸の腸内細菌の数を見ると、ビフィズス菌は1兆~100兆個ほど、乳酸菌は1億~1000億個ほど。大腸内の善玉菌の割合では、約99.9%がビフィズス菌、0.1%が乳酸菌と圧倒的な差があります。大腸の腸内フローラを形成する上でも、ビフィズス菌はとても重要な菌なのです。

■大腸で圧倒的多数を占めるビフィズス菌
ビフィズス菌と乳酸菌の大きな違いの1つに、生息している場所が挙げられます。
ビフィズス菌は酸素のあるところで生育できない「偏性嫌気性菌(へんせいけんきせいきん)」です。このため、人間の消化器の中でビフィズス菌がすめるのは大腸、それも酸素がほとんど届かない大腸の最後部、S状結腸から直腸の腸内フローラの中になります。
一方、乳酸菌も酸素が嫌いな嫌気性菌ですが、「通性嫌気性菌」といって、ある程度酸素があっても生育することができ、ほとんどが小腸にすんでいます。また、自然界にも存在し、ヨーグルト、チーズ、ぬか漬け、キムチ、みそなどの発酵食品にも含まれています。
大腸の腸内細菌の数を見ると、ビフィズス菌は1兆~100兆個ほど、乳酸菌は1億~1000億個ほど。大腸内の善玉菌の割合では、約99.9%がビフィズス菌、0.1%が乳酸菌と圧倒的な差があります。大腸の腸内フローラを形成する上でも、ビフィズス菌はとても重要な菌なのです。

(4)乳酸菌がつくるのは「乳酸」、ビフィズス菌は「乳酸+酢酸」

(4)乳酸菌がつくるのは「乳酸」、ビフィズス菌は「乳酸+酢酸」


乳酸菌がつくるのは「乳酸」、ビフィズス菌は「乳酸+酢酸」のイメージイラスト 乳酸菌がつくるのは「乳酸」、ビフィズス菌は「乳酸+酢酸」のイメージイラスト

■腸内でつくり出す物質にも違いが
ビフィズス菌や乳酸菌は、どのようにして体によい効果を発揮するのでしょうか? そのカギは、ビフィズス菌や乳酸菌が腸内でつくり出す代謝物にあります。
腸内細菌は食事に含まれるエサを食べて、腸内で様々な物質をつくり出します。これを「腸内細菌代謝物」と呼びます。乳酸菌が代謝物として主に「乳酸」をつくり出すのに対し、ビフィズス菌は「乳酸」もつくりますが、「酢酸」をより多く産生します。これも、ビフィズス菌と乳酸菌が全く別の菌であることの証です。
以前から整腸作用で知られていたビフィズス菌と乳酸菌ですが、近年の研究で、これらの代謝物が多くの作用をもち、私たちの健康に貢献していることが明らかになってきました。


■乳酸菌のつくる「乳酸」が、お腹の調子を整える

■腸内でつくり出す物質にも違いが
ビフィズス菌や乳酸菌は、どのようにして体によい効果を発揮するのでしょうか? そのカギは、ビフィズス菌や乳酸菌が腸内でつくり出す代謝物にあります。
腸内細菌は食事に含まれるエサを食べて、腸内で様々な物質をつくり出します。これを「腸内細菌代謝物」と呼びます。乳酸菌が代謝物として主に「乳酸」をつくり出すのに対し、ビフィズス菌は「乳酸」もつくりますが、「酢酸」をより多く産生します。これも、ビフィズス菌と乳酸菌が全く別の菌であることの証です。
以前から整腸作用で知られていたビフィズス菌と乳酸菌ですが、近年の研究で、これらの代謝物が多くの作用をもち、私たちの健康に貢献していることが明らかになってきました。


■乳酸菌のつくる「乳酸」が、お腹の調子を整える

乳酸のイメージイラスト 乳酸のイメージイラスト

乳酸菌は、糖をエサにして(分解して)大量の乳酸をつくり出す菌の総称です。乳酸は、腸の中を弱酸性にすることでアルカリ性を好む悪玉菌の増殖を抑え、優れた整腸作用を発揮します。また、免疫機能の向上や血圧降下、コレステロール値の上昇抑制など生活習慣病の予防・改善に役立つ様々な作用が認められています。乳酸菌には大変多くの種類があり、同じ菌種に属する菌でも「株」ごとに異なる性質をもち、得られる効果が異なるのも特徴です。現在も活発な研究が行われ、特徴的な作用をもつ新しい乳酸菌が次々と発見されています。

<乳酸菌の主な作用>
整腸作用(下痢・便秘の改善)
免疫強化作用
免疫調整作用
血圧降下作用
大腸炎抑制作用
中性脂肪・LDLコレステロール低下作用 など


■ビフィズス菌のつくる「酢酸」などの「短鎖脂肪酸」がすごい!

乳酸菌は、糖をエサにして(分解して)大量の乳酸をつくり出す菌の総称です。乳酸は、腸の中を弱酸性にすることでアルカリ性を好む悪玉菌の増殖を抑え、優れた整腸作用を発揮します。また、免疫機能の向上や血圧降下、コレステロール値の上昇抑制など生活習慣病の予防・改善に役立つ様々な作用が認められています。乳酸菌には大変多くの種類があり、同じ菌種に属する菌でも「株」ごとに異なる性質をもち、得られる効果が異なるのも特徴です。現在も活発な研究が行われ、特徴的な作用をもつ新しい乳酸菌が次々と発見されています。

<乳酸菌の主な作用>
整腸作用(下痢・便秘の改善)
免疫強化作用
免疫調整作用
血圧降下作用
大腸炎抑制作用
中性脂肪・LDLコレステロール低下作用 など


■ビフィズス菌のつくる「酢酸」などの「短鎖脂肪酸」がすごい!

乳酸+酢酸を作り出しているビフィズス菌のイメージイラスト 乳酸+酢酸を作り出しているビフィズス菌のイメージイラスト

食事で摂った栄養のほとんどは小腸で分解、吸収されますが、小腸では食物繊維が分解できないため、食物繊維は大腸まで流れてきます。ビフィズス菌はこの食物繊維をエサにして乳酸と酢酸をつくり出します。こうしてつくられた乳酸や酢酸が腸内を弱酸性に保つことで悪玉菌の繁殖を抑え、ビフィズス菌の代表的な働きである整腸作用を発揮します。
酢酸は、腸内細菌がつくり出す物質で最も多く、腸内に侵入してきた病原菌を殺菌したり、有害菌や有害物質の体内への侵入を防ぐ腸管のバリア機能を高めたり、大腸のぜん動運動を活発にして便秘を予防したりなど、様々な作用で腸内の健康に貢献していると考えられています。
ビフィズス菌がつくる酢酸をはじめ、酪酸やプロピオン酸などをまとめて「短鎖脂肪酸」と呼びます。近年の研究で、これらは腸で働くだけでなく、一部は血液に乗って全身に運ばれ、免疫や代謝によい影響を及ぼすことが分かってきました。強い殺菌力で病原性大腸菌O157から体を守ったり、脂肪細胞に働きかけて脂肪を燃焼したりする他、抗うつ作用、IBS(過敏性腸症候群)改善、認知機能の改善、花粉症などアレルギーの予防、体内時計の調整など、様々な働きが研究で明らかになりつつあります。健康長寿の人の腸には短鎖脂肪酸が多いことも報告され、非常に関心が高まっています。

<ビフィズス菌の主な作用>
●腸内環境を整えて下痢や便秘を予防・改善する
●免疫力を高めて感染症を予防する
●免疫の働きを調整し、花粉症などのアレルギーを予防・緩和する
●脂質代謝を改善し、コレステロール値を下げる
●ビタミンB群やビタミンKを合成する など

食事で摂った栄養のほとんどは小腸で分解、吸収されますが、小腸では食物繊維が分解できないため、食物繊維は大腸まで流れてきます。ビフィズス菌はこの食物繊維をエサにして乳酸と酢酸をつくり出します。こうしてつくられた乳酸や酢酸が腸内を弱酸性に保つことで悪玉菌の繁殖を抑え、ビフィズス菌の代表的な働きである整腸作用を発揮します。
酢酸は、腸内細菌がつくり出す物質で最も多く、腸内に侵入してきた病原菌を殺菌したり、有害菌や有害物質の体内への侵入を防ぐ腸管のバリア機能を高めたり、大腸のぜん動運動を活発にして便秘を予防したりなど、様々な作用で腸内の健康に貢献していると考えられています。
ビフィズス菌がつくる酢酸をはじめ、酪酸やプロピオン酸などをまとめて「短鎖脂肪酸」と呼びます。近年の研究で、これらは腸で働くだけでなく、一部は血液に乗って全身に運ばれ、免疫や代謝によい影響を及ぼすことが分かってきました。強い殺菌力で病原性大腸菌O157から体を守ったり、脂肪細胞に働きかけて脂肪を燃焼したりする他、抗うつ作用、IBS(過敏性腸症候群)改善、認知機能の改善、花粉症などアレルギーの予防、体内時計の調整など、様々な働きが研究で明らかになりつつあります。健康長寿の人の腸には短鎖脂肪酸が多いことも報告され、非常に関心が高まっています。

<ビフィズス菌の主な作用>
●腸内環境を整えて下痢や便秘を予防・改善する
●免疫力を高めて感染症を予防する
●免疫の働きを調整し、花粉症などのアレルギーを予防・緩和する
●脂質代謝を改善し、コレステロール値を下げる
●ビタミンB群やビタミンKを合成する など

ビフィズス菌と乳酸菌の違いを説明する表。 ビフィズス菌は、生育場所は主に大腸、酸素のある場所での生育はできない(偏性嫌気性菌)、主な代謝物は乳酸+酢酸。 乳酸菌は、生育場所は主に小腸(自然界、発行食品)、酸素のある場所での生育ができる(通性嫌気性菌)、主な代謝物は乳酸。 ビフィズス菌と乳酸菌の違いを説明する表。 ビフィズス菌は、生育場所は主に大腸、酸素のある場所での生育はできない(偏性嫌気性菌)、主な代謝物は乳酸+酢酸。 乳酸菌は、生育場所は主に小腸(自然界、発行食品)、酸素のある場所での生育ができる(通性嫌気性菌)、主な代謝物は乳酸。

(5)ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やす「腸活」を始めよう

(5)ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やす「腸活」を始めよう


腸活のための食事をしている女性のイメージ写真 腸活のための食事をしている女性のイメージ写真

■腸活で全身を元気に
腸内細菌のバランスを整え、腸を健康に保つのが「腸活」。便通が整うといったすぐに実感できる効果だけでなく、免疫力アップやコレステロール値の改善、アレルギー性疾患の予防など様々な効果が得られます。次のポイントを押さえて、実践しましょう。

1.  善玉菌を含む発酵食品を摂る
発酵食品とは、乳酸菌や麹菌などの微生物によって、タンパク質や糖などが分解されて別の食品に変化したものをいい、独特の風味があります。腸内細菌の多様性を高めるため、同じ食品ばかりに偏らず、できるだけバラエティーに富んだ食品を摂るように心がけましょう。なお、乳酸菌は食品から摂れますが、ビフィズス菌は普通の食品には含まれていないため、「ビフィズス菌入り」と明記された食品やサプリメントなどで摂る必要があります。どちらの場合も食事で摂った菌は腸に定着しないため、毎日コツコツと補給することが大切です。
▶多く含む食品:ヨーグルト、乳酸菌飲料、チーズ、みそ、しょうゆ、納豆、ぬか漬け、キムチ など

2.善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖、レジスタントスターチを摂る

■腸活で全身を元気に
腸内細菌のバランスを整え、腸を健康に保つのが「腸活」。便通が整うといったすぐに実感できる効果だけでなく、免疫力アップやコレステロール値の改善、アレルギー性疾患の予防など様々な効果が得られます。次のポイントを押さえて、実践しましょう。

1.  善玉菌を含む発酵食品を摂る
発酵食品とは、乳酸菌や麹菌などの微生物によって、タンパク質や糖などが分解されて別の食品に変化したものをいい、独特の風味があります。腸内細菌の多様性を高めるため、同じ食品ばかりに偏らず、できるだけバラエティーに富んだ食品を摂るように心がけましょう。なお、乳酸菌は食品から摂れますが、ビフィズス菌は普通の食品には含まれていないため、「ビフィズス菌入り」と明記された食品やサプリメントなどで摂る必要があります。どちらの場合も食事で摂った菌は腸に定着しないため、毎日コツコツと補給することが大切です。
▶多く含む食品:ヨーグルト、乳酸菌飲料、チーズ、みそ、しょうゆ、納豆、ぬか漬け、キムチ など

2.善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖、レジスタントスターチを摂る

プロバイオティクス(善玉菌)と、その栄養源となるプレバイオティクス(食物繊維、オリゴ糖、レジスタントスターチなど)の関係をイメージしたイラスト プロバイオティクス(善玉菌)と、その栄養源となるプレバイオティクス(食物繊維、オリゴ糖、レジスタントスターチなど)の関係をイメージしたイラスト

善玉菌の栄養源となるこれらの食品を「プレバイオティクス」と呼び、摂取することでもともと腸内にすんでいる腸内細菌を活性化し、腸内環境を良好に保ちます。

<食物繊維>
食物繊維の中でも、腸内細菌によって発酵されやすい「高発酵性食物繊維」を摂るのがポイントです。水溶性食物繊維の多くがこれに当たります。
▶水溶性食物繊維を多く含む食品: 海藻類、豆類、大豆製品、大麦、オートミール、全粒小麦、玄米、オクラ、なめこ、根菜類、アボカド、キウイフルーツ など

<オリゴ糖>
消化されずに大腸まで届く難消化性のオリゴ糖のことをいいます。オリゴ糖を多く含む食品を摂る他、甘味料としてオリゴ糖製品を利用することで手軽に摂取することができます。
▶多く含む食品:バナナ、はちみつ、玉ねぎ、アスパラガス、にんにく など

<レジスタントスターチ>
「難消化性でんぷん」とも呼ばれ、食物繊維と同様の機能をもつことから注目されています。ご飯やいも類などに含まれるレジスタントスターチは、冷めると増える性質があります。
▶多く含む食品:インゲン豆、トウモロコシ、大麦、白米、全粒小麦、じゃがいも など

3. 規則正しい生活を心がける
腸の働きは自律神経によってコントロールされているため、腸内フローラを整えるためには自律神経を整えることが大切です。起床や就寝の時間をできるだけ一定にし、食事もなるべく決まった時間に摂るようにしましょう。朝は余裕をもって起きて日の光を浴び、朝食もしっかり摂るようにすると腸の働きがよくなります。

4. ストレスをためない
「腸脳相関」といって、脳と腸は相互に影響を与え合っていることが分かっています。精神的ストレスは腸内環境の悪化につながり、下痢や便秘、IBSなどを引き起こす原因となるため、ストレスケアも大切です。

善玉菌の栄養源となるこれらの食品を「プレバイオティクス」と呼び、摂取することでもともと腸内にすんでいる腸内細菌を活性化し、腸内環境を良好に保ちます。

<食物繊維>
食物繊維の中でも、腸内細菌によって発酵されやすい「高発酵性食物繊維」を摂るのがポイントです。水溶性食物繊維の多くがこれに当たります。
▶水溶性食物繊維を多く含む食品: 海藻類、豆類、大豆製品、大麦、オートミール、全粒小麦、玄米、オクラ、なめこ、根菜類、アボカド、キウイフルーツ など

<オリゴ糖>
消化されずに大腸まで届く難消化性のオリゴ糖のことをいいます。オリゴ糖を多く含む食品を摂る他、甘味料としてオリゴ糖製品を利用することで手軽に摂取することができます。
▶多く含む食品:バナナ、はちみつ、玉ねぎ、アスパラガス、にんにく など

<レジスタントスターチ>
「難消化性でんぷん」とも呼ばれ、食物繊維と同様の機能をもつことから注目されています。ご飯やいも類などに含まれるレジスタントスターチは、冷めると増える性質があります。
▶多く含む食品:インゲン豆、トウモロコシ、大麦、白米、全粒小麦、じゃがいも など

3. 規則正しい生活を心がける
腸の働きは自律神経によってコントロールされているため、腸内フローラを整えるためには自律神経を整えることが大切です。起床や就寝の時間をできるだけ一定にし、食事もなるべく決まった時間に摂るようにしましょう。朝は余裕をもって起きて日の光を浴び、朝食もしっかり摂るようにすると腸の働きがよくなります。

4. ストレスをためない
「腸脳相関」といって、脳と腸は相互に影響を与え合っていることが分かっています。精神的ストレスは腸内環境の悪化につながり、下痢や便秘、IBSなどを引き起こす原因となるため、ストレスケアも大切です。

(6)まとめ

(6)まとめ


ビフィズス菌と乳酸菌は体によい作用をする「善玉菌」の代表ですが、実は全く違う菌。ただし、整腸作用や免疫調整作用など共通する働きを多くもち、私たちにとって大切な菌であることに変わりありません。さらに、それぞれの菌が腸内でつくり出す「乳酸」や「酢酸」が健康に及ぼす効果が明らかになりつつあり、今後の研究成果に期待したいところです。日頃からビフィズス菌や乳酸菌を増やす「腸活」を意識して、いつまでも健やかに過ごしていきましょう。

ビフィズス菌と乳酸菌は体によい作用をする「善玉菌」の代表ですが、実は全く違う菌。ただし、整腸作用や免疫調整作用など共通する働きを多くもち、私たちにとって大切な菌であることに変わりありません。さらに、それぞれの菌が腸内でつくり出す「乳酸」や「酢酸」が健康に及ぼす効果が明らかになりつつあり、今後の研究成果に期待したいところです。日頃からビフィズス菌や乳酸菌を増やす「腸活」を意識して、いつまでも健やかに過ごしていきましょう。