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ビフィズス菌とは? 
腸内にすむ善玉菌の代表格、その上手な増やし方もご紹介

ビフィズス菌とは? 
腸内にすむ善玉菌の代表格、
その上手な増やし方もご紹介

腸内にすむ善玉菌の代表格 ビフィズス菌のイラスト 腸内にすむ善玉菌の代表格 ビフィズス菌のイラスト

私たちの腸内環境を大きく左右するのが腸内細菌です。その中でも“善玉菌”を増やすことが、腸内環境を整えるポイントです。善玉菌の代表格である「ビフィズス菌」について知り、毎日の健康管理に役立てていきましょう。

私たちの腸内環境を大きく左右するのが腸内細菌です。その中でも“善玉菌”を増やすことが、腸内環境を整えるポイントです。善玉菌の代表格である「ビフィズス菌」について知り、毎日の健康管理に役立てていきましょう。

監修

監修

京都府立医科大学大学院医学研究科 生体免疫栄養学 教授 内藤 裕二先生の画像 京都府立医科大学大学院医学研究科 生体免疫栄養学 教授 内藤 裕二先生の画像

内藤 裕二先生(ないとう・ゆうじ)
京都府立医科大学大学院医学研究科 生体免疫栄養学 教授

内藤 裕二先生(ないとう・ゆうじ)
京都府立医科大学大学院医学研究科 生体免疫栄養学 教授

1983年京都府立医科大学卒業、2001年米国ルイジアナ州立大学医学部分子細胞生理学教室客員教授として渡米。帰国後は、(独)科学技術振興機構科学技術振興調整費研究領域主幹、09年京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学准教授、15年本学附属病院内視鏡・超音波診療部部長、21年から現職。著書に、『消化管(おなか)は泣いています』(ダイヤモンド社)『すべての臨床医が知っておきたい腸内細菌叢』(羊土社)『健康の土台をつくる 腸内細菌の科学』(日経BP)など多数。

1983年京都府立医科大学卒業、2001年米国ルイジアナ州立大学医学部分子細胞生理学教室客員教授として渡米。帰国後は、(独)科学技術振興機構科学技術振興調整費研究領域主幹、09年京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学准教授、15年本学附属病院内視鏡・超音波診療部部長、21年から現職。著書に、『消化管(おなか)は泣いています』(ダイヤモンド社)『すべての臨床医が知っておきたい腸内細菌叢』(羊土社)『健康の土台をつくる 腸内細菌の科学』(日経BP)など多数。

(1)ビフィズス菌とは

(1)ビフィズス菌とは


ビフィズス菌のイメージ画像 ビフィズス菌のイメージ画像

■ビフィズス菌は多様な種と株をもつ
腸内細菌とは文字通り、腸内に生息している細菌です。人の腸内にすむ腸内細菌の数はおよそ100兆個、種類は1000種類以上といわれ、全てを合わせると重さにして1~2キログラムになります。
ビフィズス菌はこの腸内細菌の一種で、「Bifidobacterium(ビフィドバクテリウム)属」に属する細菌の総称です。ビフィズス菌にはY字やV字に分岐した特徴的な形をもつものが多いことから「二股の、分岐」という意味のラテン語「bifid」から名づけられました。
1899年にフランスの研究者によって発見され、現在までに人や動物の腸内から30~50菌種のビフィズス菌が発見されています。このうち人の腸内で見つかったビフィズス菌は7~8菌種で、1人の人の便を調べると、2~4菌種のビフィズス菌が検出されます。
ここでいう菌種は細菌の種類を指しますが、「種」をさらに細かく分類した「株」があり、同じ菌種に属する菌でも株ごとに異なる性質をもちます。ビフィズス菌は、「ビフィズス菌○○株」といったように、その違いを「菌株」というレベルで識別し、研究されています。

■ビフィズス菌は多様な種と株をもつ
腸内細菌とは文字通り、腸内に生息している細菌です。人の腸内にすむ腸内細菌の数はおよそ100兆個、種類は1000種類以上といわれ、全てを合わせると重さにして1~2キログラムになります。
ビフィズス菌はこの腸内細菌の一種で、「Bifidobacterium(ビフィドバクテリウム)属」に属する細菌の総称です。ビフィズス菌にはY字やV字に分岐した特徴的な形をもつものが多いことから「二股の、分岐」という意味のラテン語「bifid」から名づけられました。
1899年にフランスの研究者によって発見され、現在までに人や動物の腸内から30~50菌種のビフィズス菌が発見されています。このうち人の腸内で見つかったビフィズス菌は7~8菌種で、1人の人の便を調べると、2~4菌種のビフィズス菌が検出されます。
ここでいう菌種は細菌の種類を指しますが、「種」をさらに細かく分類した「株」があり、同じ菌種に属する菌でも株ごとに異なる性質をもちます。ビフィズス菌は、「ビフィズス菌○○株」といったように、その違いを「菌株」というレベルで識別し、研究されています。

(2)ビフィズス菌にはどんな働きがあるの?

(2)ビフィズス菌にはどんな働きがあるの?


整腸作用をイメージした、お腹を触る女性の写真 整腸作用をイメージした、お腹を触る女性の写真

■おなかの調子を整える「整腸作用」など
ビフィズス菌には、おなかの調子を整える「整腸作用」があることが知られています。ビフィズス菌は大腸で食物繊維やオリゴ糖を分解し、「乳酸」や「酢酸」といった酸をつくり出します。それによって腸内が酸性に傾くと、悪玉菌の増殖が抑えられて腸内細菌のバランスがよくなり、腸内環境が整います。
また、腸内が弱酸性に保たれている環境では有害物質がつくられにくくなり、腸が健康な状態に保たれます。その結果、免疫力が高まるなど全身の健康によい影響を与えます。
さらに、ビフィズス菌は葉酸やビタミンB12などのビタミンB群や、血液の凝固にかかわるビタミンKを合成する働きも知られています。

<ビフィズス菌の働き>
●腸内環境を整えて下痢や便秘を予防・改善する
●免疫力を高めて感染症やがんを予防する
●免疫の働きを調整し、花粉症などのアレルギーを予防・緩和する
●脂質代謝を改善し、コレステロール値を下げる
●ビタミンB群やビタミンKを合成する

■ビフィズス菌がつくる「短鎖脂肪酸」に注目!
腸内細菌は、私たちが食事で摂ったものをエサにして(分解して)、様々な物質をつくり出しています。こうした物質を「腸内細菌代謝物」と呼んでいます。その中でも近年、特に注目されているのが、腸内細菌代謝物の多くを占める「短鎖脂肪酸」(※)です。
腸内でビフィズス菌がつくる「酢酸」はこの短鎖脂肪酸の1つで、ビフィズス菌の効果として知られているものには、実はこの酢酸が大きくかかわっていることが分かってきました。

<酢酸の働き>
●強い殺菌力で悪玉菌の増殖を抑制する
●大腸のぜん動運動を活発にする
●腸粘膜の傷の修復を促し、腸のバリア機能を高めて病原菌から体を守る
●腸からの有害菌やウイルスの侵入を阻止するIgA抗体の産生を促進する
●脂肪をつくるための材料になる一方で、過剰な脂肪をため込まないようにする

この他にもビフィズス菌の中には、病原性大腸菌O157などの感染症予防作用、炎症性疾患の抑制作用などが報告されているものもあり、ビフィズス菌が老化や健康長寿にどう関与するのか、活発な研究が進められているところです。

※短鎖脂肪酸
脂肪酸は油脂を構成する成分の1つ。複数の炭素が鎖のように連なった化学構造をしており、炭素の数が6つ以下のものを「短鎖脂肪酸」と呼んでいます。短鎖脂肪酸の代表的なものに「酢酸」、「プロピオン酸」、「酪酸」の3つがあり、これらは大腸で食物繊維やオリゴ糖を腸内細菌が分解することによりつくり出されます。

■おなかの調子を整える「整腸作用」など
ビフィズス菌には、おなかの調子を整える「整腸作用」があることが知られています。ビフィズス菌は大腸で食物繊維やオリゴ糖を分解し、「乳酸」や「酢酸」といった酸をつくり出します。それによって腸内が酸性に傾くと、悪玉菌の増殖が抑えられて腸内細菌のバランスがよくなり、腸内環境が整います。
また、腸内が弱酸性に保たれている環境では有害物質がつくられにくくなり、腸が健康な状態に保たれます。その結果、免疫力が高まるなど全身の健康によい影響を与えます。
さらに、ビフィズス菌は葉酸やビタミンB12などのビタミンB群や、血液の凝固にかかわるビタミンKを合成する働きも知られています。

<ビフィズス菌の働き>
●腸内環境を整えて下痢や便秘を予防・改善する
●免疫力を高めて感染症やがんを予防する
●免疫の働きを調整し、花粉症などのアレルギーを予防・緩和する
●脂質代謝を改善し、コレステロール値を下げる
●ビタミンB群やビタミンKを合成する

■ビフィズス菌がつくる「短鎖脂肪酸」に注目!
腸内細菌は、私たちが食事で摂ったものをエサにして(分解して)、様々な物質をつくり出しています。こうした物質を「腸内細菌代謝物」と呼んでいます。その中でも近年、特に注目されているのが、腸内細菌代謝物の多くを占める「短鎖脂肪酸」(※)です。
腸内でビフィズス菌がつくる「酢酸」はこの短鎖脂肪酸の1つで、ビフィズス菌の効果として知られているものには、実はこの酢酸が大きくかかわっていることが分かってきました。

<酢酸の働き>
●強い殺菌力で悪玉菌の増殖を抑制する
●大腸のぜん動運動を活発にする
●腸粘膜の傷の修復を促し、腸のバリア機能を高めて病原菌から体を守る
●腸からの有害菌やウイルスの侵入を阻止するIgA抗体の産生を促進する
●脂肪をつくるための材料になる一方で、過剰な脂肪をため込まないようにする

この他にもビフィズス菌の中には、病原性大腸菌O157などの感染症予防作用、炎症性疾患の抑制作用などが報告されているものもあり、ビフィズス菌が老化や健康長寿にどう関与するのか、活発な研究が進められているところです。

※短鎖脂肪酸
脂肪酸は油脂を構成する成分の1つ。複数の炭素が鎖のように連なった化学構造をしており、炭素の数が6つ以下のものを「短鎖脂肪酸」と呼んでいます。短鎖脂肪酸の代表的なものに「酢酸」、「プロピオン酸」、「酪酸」の3つがあり、これらは大腸で食物繊維やオリゴ糖を腸内細菌が分解することによりつくり出されます。

(3)実は、日本人の腸にはビフィズス菌が多い!

(3)実は、日本人の腸にはビフィズス菌が多い!


日本人の腸にはビフィズス菌が多いことを説明する女性のイメージ写真 日本人の腸にはビフィズス菌が多いことを説明する女性のイメージ写真

■日本人の健康を、お腹の中から支えるビフィズス菌
私たちの腸内では多種多様な細菌がバランスをとりながら生息し、腸内をよい状態に保っています。これらの細菌が密集している様子がお花畑のように見えることから、「腸内フローラ」(floraは英語で“植物群”の意味)と呼ばれています。
腸内フローラは指紋のように一人ひとり異なりますが、国や地域レベルでも違いがあることが分かっています。日本人の腸内フローラで特徴的なのが、ビフィズス菌の多さです。世界12カ国の健康な男女の腸内フローラを調べたところ、欧米や中国等の人のビフィズス菌の比率が平均10%前後なのに対し、日本人は平均18%を占め、突出して高いことが明らかになりました。
なぜ、日本人の腸にビフィズス菌が多いのでしょうか? その理由の1つとして、乳糖の分解能力が関係すると考えられています。
乳糖は哺乳類の乳に含まれている糖類のことで、ラクトースとも呼ばれます。乳糖は小腸で分解・吸収されてエネルギー源として利用されますが、日本人はこの乳糖を分解する酵素をあまりもっていません。そのため分解されなかった乳糖が大腸まで届き、大腸で待ち構えているビフィズス菌が、それをエサにして増殖するというわけです。
このように、日本人は遺伝的にビフィズス菌の育ちやすい体質をもっています。まさに日本人の健康をお腹の中から支えている大切な菌といってよいでしょう。

■日本人の健康を、お腹の中から支えるビフィズス菌
私たちの腸内では多種多様な細菌がバランスをとりながら生息し、腸内をよい状態に保っています。これらの細菌が密集している様子がお花畑のように見えることから、「腸内フローラ」(floraは英語で“植物群”の意味)と呼ばれています。
腸内フローラは指紋のように一人ひとり異なりますが、国や地域レベルでも違いがあることが分かっています。日本人の腸内フローラで特徴的なのが、ビフィズス菌の多さです。世界12カ国の健康な男女の腸内フローラを調べたところ、欧米や中国等の人のビフィズス菌の比率が平均10%前後なのに対し、日本人は平均18%を占め、突出して高いことが明らかになりました。
なぜ、日本人の腸にビフィズス菌が多いのでしょうか? その理由の1つとして、乳糖の分解能力が関係すると考えられています。
乳糖は哺乳類の乳に含まれている糖類のことで、ラクトースとも呼ばれます。乳糖は小腸で分解・吸収されてエネルギー源として利用されますが、日本人はこの乳糖を分解する酵素をあまりもっていません。そのため分解されなかった乳糖が大腸まで届き、大腸で待ち構えているビフィズス菌が、それをエサにして増殖するというわけです。
このように、日本人は遺伝的にビフィズス菌の育ちやすい体質をもっています。まさに日本人の健康をお腹の中から支えている大切な菌といってよいでしょう。

(4)ビフィズス菌は年齢と共に減っていく!

(4)ビフィズス菌は年齢と共に減っていく!


赤ちゃんの写真 赤ちゃんの写真

■ビフィズス菌が最も多いのは、生後1カ月~離乳期
腸内フローラを構成する細菌の割合は、年齢によって変化します。年齢を重ねると、私たちを支えてくれているビフィズス菌も減ってしまうことが分かっています。
赤ちゃんは、生まれてくる時に産道で大腸菌、乳酸菌、ビフィズス菌などの腸内細菌に出会います。授乳が始まると、母乳に含まれる「乳糖オリゴ糖」をエサにしてビフィズス菌が増えていき、生後1カ月もするとビフィズス菌が圧倒的に優勢になります。
離乳食が始まると、赤ちゃんの腸内には様々な腸内細菌が育つようになり、相対的にビフィズス菌の割合は減っていきます。そして3歳ごろにはビフィズス菌は全体の1〜2割程度に落ち着き、腸にすみつく腸内細菌の種類もこの時期までに決まります。
しかし、年齢と共にビフィズス菌は徐々に減り、60代を過ぎると、それまでの善玉菌優勢の状態から悪玉菌優勢の状態へと傾き始めます。老年期になる頃にはビフィズス菌はさらに減り、中にはビフィズス菌がほとんどいない状態になってしまう人もいます。

■ビフィズス菌が最も多いのは、生後1カ月~離乳期
腸内フローラを構成する細菌の割合は、年齢によって変化します。年齢を重ねると、私たちを支えてくれているビフィズス菌も減ってしまうことが分かっています。
赤ちゃんは、生まれてくる時に産道で大腸菌、乳酸菌、ビフィズス菌などの腸内細菌に出会います。授乳が始まると、母乳に含まれる「乳糖オリゴ糖」をエサにしてビフィズス菌が増えていき、生後1カ月もするとビフィズス菌が圧倒的に優勢になります。
離乳食が始まると、赤ちゃんの腸内には様々な腸内細菌が育つようになり、相対的にビフィズス菌の割合は減っていきます。そして3歳ごろにはビフィズス菌は全体の1〜2割程度に落ち着き、腸にすみつく腸内細菌の種類もこの時期までに決まります。
しかし、年齢と共にビフィズス菌は徐々に減り、60代を過ぎると、それまでの善玉菌優勢の状態から悪玉菌優勢の状態へと傾き始めます。老年期になる頃にはビフィズス菌はさらに減り、中にはビフィズス菌がほとんどいない状態になってしまう人もいます。

年齢による腸内細菌のバランスの変化を、糞便1グラム当たり菌数(バクテロイデス、ユウバクテリウム、嫌気性レンサ球菌とビフィズス菌と大腸菌と乳酸桿とウェルシュ菌)を出生日、離乳期、成年期、老年期ごとにグラフ化した図。 出典、光岡知足「腸内環境の話」岩波親書.1978改変 年齢による腸内細菌のバランスの変化を、糞便1グラム当たり菌数(バクテロイデス、ユウバクテリウム、嫌気性レンサ球菌とビフィズス菌と大腸菌と乳酸桿とウェルシュ菌)を出生日、離乳期、成年期、老年期ごとにグラフ化した図。 出典、光岡知足「腸内環境の話」岩波親書.1978改変

近年は、食習慣などの影響で若い人でも高齢者並みにビフィズス菌が少ない人が増えているといわれます。健康長寿の人の腸内にはビフィズス菌が多いという研究報告もあり、健康維持のために積極的にビフィズス菌を増やしていくことが大切です。

近年は、食習慣などの影響で若い人でも高齢者並みにビフィズス菌が少ない人が増えているといわれます。健康長寿の人の腸内にはビフィズス菌が多いという研究報告もあり、健康維持のために積極的にビフィズス菌を増やしていくことが大切です。

(5)ビフィズス菌を増やすには?

(5)ビフィズス菌を増やすには?


■ヨーグルトやサプリメント、整腸剤などからビフィズス菌を摂取する

■ヨーグルトやサプリメント、整腸剤などからビフィズス菌を摂取する

ヨーグルトと錠剤の写真 ヨーグルトと錠剤の写真

「ビフィズス菌を増やすには、ヨーグルトや発酵食品を摂ればいい」と考える人もいますが、これには一部誤解があります。酸素を嫌う「偏性嫌気性菌(へんせいけんきせいきん)」であるビフィズス菌は、酸素のあるところでは生きられないため、一般の食品には含まれていません。
そのため、ビフィズス菌を増やしたいなら、ビフィズス菌を添加している「ビフィズス菌入り」と明記されたヨーグルトなどの食品やサプリメントなどで摂るのが正解です。それぞれの人の腸とビフィズス菌の種類(菌株)には相性があるので、例えばヨーグルトなら、同じ物を2週間くらい続けて摂って便の様子をみて、自分に合うものを見つけましょう。
また、摂取したビフィズス菌は一時的に腸内のビフィズス菌を増やしますが、腸に定着することはないので、定期的な補給が必要です。
 

■腸内のビフィズス菌のエサとなる「プレバイオティクス」を摂る

「ビフィズス菌を増やすには、ヨーグルトや発酵食品を摂ればいい」と考える人もいますが、これには一部誤解があります。酸素を嫌う「偏性嫌気性菌(へんせいけんきせいきん)」であるビフィズス菌は、酸素のあるところでは生きられないため、一般の食品には含まれていません。
そのため、ビフィズス菌を増やしたいなら、ビフィズス菌を添加している「ビフィズス菌入り」と明記されたヨーグルトなどの食品やサプリメントなどで摂るのが正解です。それぞれの人の腸とビフィズス菌の種類(菌株)には相性があるので、例えばヨーグルトなら、同じ物を2週間くらい続けて摂って便の様子をみて、自分に合うものを見つけましょう。
また、摂取したビフィズス菌は一時的に腸内のビフィズス菌を増やしますが、腸に定着することはないので、定期的な補給が必要です。
 

■腸内のビフィズス菌のエサとなる「プレバイオティクス」を摂る

善玉菌のエサとなる「プレバイオティクス」の入っている野菜や果物のイメージ写真 善玉菌のエサとなる「プレバイオティクス」の入っている野菜や果物のイメージ写真

ビフィズス菌を増やすために大切なのが、ビフィズス菌のエサとなるものを摂り、腸内のビフィズス菌を育てることです。このように善玉菌のエサとなるものを「プレバイオティクス」と呼び、食物繊維やオリゴ糖、レジスタントスターチなどがこれに当たります。

水溶性食物繊維
食物繊維には、腸内細菌によって発酵されやすい「高発酵性」のものと、発酵されにくい「低発酵性」のものがあります。高発酵性食物繊維は腸内で善玉菌のエサになりやすく、短鎖脂肪酸を多くつくり出すため、腸内環境を整える作用が高いことが知られています。水に溶ける「水溶性食物繊維」の多くは高発酵性なので、日常の食卓に積極的にとり入れるようにしましょう。
▶多く含む食品: 海藻類、豆類、大豆製品、大麦、オートミール、全粒小麦、玄米、オクラ、なめこ、根菜類、アボカド、キウイフルーツ など

オリゴ糖
オリゴ糖とは、糖質のうち最小単位である単糖が2~10個程度結びついたもので、「おなかの調子を整える」と表示されたオリゴ糖は、消化されずに大腸まで届く難消化性のオリゴ糖のことをいいます。オリゴ糖を多く含む食品を摂る他、特定保健用食品(トクホ)のオリゴ糖製品を利用することで手軽に摂取することができます。
▶多く含む食品:バナナ、はちみつ、玉ねぎ、アスパラガス、にんにく など

レジスタントスターチ
小腸で消化されない(resistant)でんぷん(starch)のことで、「難消化性でんぷん」とも呼ばれます。食物繊維と同様の機能をもつことから注目されています。ご飯やいも類などに含まれるレジスタントスターチは加熱すると大幅に減り、冷めると再び増える性質があるため、冷ご飯や冷たいポテトサラダなどの形でとるのもよいでしょう。
▶多く含む食品:インゲン豆、トウモロコシ、大麦、白米、全粒小麦、じゃがいも など

■「シンバイオティクス」というアプローチ
食物繊維やオリゴ糖など善玉菌のエサとなるものを「プレバイオティクス」と呼ぶのに対し、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌そのものを「プロバイオティクス」と呼びます。「シンバイオティクス」は、この両方を組み合わせたアプローチ。善玉菌を摂って腸に送り込むことと、腸にある善玉菌を育てることを一緒に行うことにより、相乗効果でより高い効果を得ることができます。

プロバイオティクス × プレバイオティクス = シンバイオティクス

ビフィズス菌を増やすために大切なのが、ビフィズス菌のエサとなるものを摂り、腸内のビフィズス菌を育てることです。このように善玉菌のエサとなるものを「プレバイオティクス」と呼び、食物繊維やオリゴ糖、レジスタントスターチなどがこれに当たります。

水溶性食物繊維
食物繊維には、腸内細菌によって発酵されやすい「高発酵性」のものと、発酵されにくい「低発酵性」のものがあります。高発酵性食物繊維は腸内で善玉菌のエサになりやすく、短鎖脂肪酸を多くつくり出すため、腸内環境を整える作用が高いことが知られています。水に溶ける「水溶性食物繊維」の多くは高発酵性なので、日常の食卓に積極的にとり入れるようにしましょう。
▶多く含む食品: 海藻類、豆類、大豆製品、大麦、オートミール、全粒小麦、玄米、オクラ、なめこ、根菜類、アボカド、キウイフルーツ など

オリゴ糖
オリゴ糖とは、糖質のうち最小単位である単糖が2~10個程度結びついたもので、「おなかの調子を整える」と表示されたオリゴ糖は、消化されずに大腸まで届く難消化性のオリゴ糖のことをいいます。オリゴ糖を多く含む食品を摂る他、特定保健用食品(トクホ)のオリゴ糖製品を利用することで手軽に摂取することができます。
▶多く含む食品:バナナ、はちみつ、玉ねぎ、アスパラガス、にんにく など

レジスタントスターチ
小腸で消化されない(resistant)でんぷん(starch)のことで、「難消化性でんぷん」とも呼ばれます。食物繊維と同様の機能をもつことから注目されています。ご飯やいも類などに含まれるレジスタントスターチは加熱すると大幅に減り、冷めると再び増える性質があるため、冷ご飯や冷たいポテトサラダなどの形でとるのもよいでしょう。
▶多く含む食品:インゲン豆、トウモロコシ、大麦、白米、全粒小麦、じゃがいも など

■「シンバイオティクス」というアプローチ
食物繊維やオリゴ糖など善玉菌のエサとなるものを「プレバイオティクス」と呼ぶのに対し、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌そのものを「プロバイオティクス」と呼びます。「シンバイオティクス」は、この両方を組み合わせたアプローチ。善玉菌を摂って腸に送り込むことと、腸にある善玉菌を育てることを一緒に行うことにより、相乗効果でより高い効果を得ることができます。

プロバイオティクス × プレバイオティクス = シンバイオティクス

(6)まとめ

(6)まとめ


善玉菌の代表格であるビフィズス菌は、日本人にとって特に重要な菌。整腸や免疫力の向上・調整など様々な働きで私たちの健康をサポートしてくれます。ビフィズス菌は年と共に減っていくので、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方を日常的に摂り、増やすことを心がけましょう。

善玉菌の代表格であるビフィズス菌は、日本人にとって特に重要な菌。整腸や免疫力の向上・調整など様々な働きで私たちの健康をサポートしてくれます。ビフィズス菌は年と共に減っていくので、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方を日常的に摂り、増やすことを心がけましょう。