女性の心や体のバランスを保つ女性ホルモンであるエストロゲンは、更年期のころから減少し、それによって頭痛やほてり、イライラなどさまざまな不快症状が現れることがあります。
そのエストロゲンと似た働きをするのが「エクオール」です。
女性の心や体のバランスを保つ女性ホルモンであるエストロゲンは、更年期のころから減少し、それによって頭痛やほてり、イライラなどさまざまな不快症状が現れることがあります。
そのエストロゲンと似た働きをするのが「エクオール」です。
監修
監修
北里大学医学部 消化器内科学 主任教授
草野 央先生
北里大学医学部 消化器内科学 主任教授
草野 央先生
平成12年北里大学医学部卒業。東京医科大学内科学第四講座講師、日本大学医学部消化器内科学分野診療准教授などを経て、令和3年より現職。専門は内視鏡治療(消化管腫瘍)、消化管疾患全般。
平成12年北里大学医学部卒業。東京医科大学内科学第四講座講師、日本大学医学部消化器内科学分野診療准教授などを経て、令和3年より現職。専門は内視鏡治療(消化管腫瘍)、消化管疾患全般。
総合監修
総合監修
自治医科大学 名誉教授
菅野 健太郎先生
自治医科大学 名誉教授
菅野 健太郎先生
1973年東京大学医学部医学科卒業。76年東京大学医学部第三内科に所属、アメリカ留学後、85年同大学医学部第三内科助手、91年東京大学保健センター助教授・副所長。98年自治医科大学消化器内科主任教授。2014年より同大学名誉教授。日本消化器関連学会機構理事長、アジア太平洋消化器学会機構理事長などを歴任。
消化管の細胞生物学的研究(消化管ホルモン、酸分泌機構、細菌と胃癌)ならびに消化管疾患の治療と予防に関する研究を行っている。
1973年東京大学医学部医学科卒業。76年東京大学医学部第三内科に所属、アメリカ留学後、85年同大学医学部第三内科助手、91年東京大学保健センター助教授・副所長。98年自治医科大学消化器内科主任教授。2014年より同大学名誉教授。日本消化器関連学会機構理事長、アジア太平洋消化器学会機構理事長などを歴任。
消化管の細胞生物学的研究(消化管ホルモン、酸分泌機構、細菌と胃癌)ならびに消化管疾患の治療と予防に関する研究を行っている。
「エクオール」とは、大豆に含まれる大豆イソフラボンが腸内細菌によって変換された物質のことです。しかし、エクオールを産生する細菌はすべての人の腸の中にいるわけではなく、疫学研究によると日本を含めたアジア地域では約50%の人がエクオール産生菌を持つといわれています。
「エクオール」とは、大豆に含まれる大豆イソフラボンが腸内細菌によって変換された物質のことです。しかし、エクオールを産生する細菌はすべての人の腸の中にいるわけではなく、疫学研究によると日本を含めたアジア地域では約50%の人がエクオール産生菌を持つといわれています。
特定の腸内細菌が大豆イソフラボンを分解してエクオールを産生します。
特定の腸内細菌が大豆イソフラボンを分解してエクオールを産生します。
エクオール産生菌がいる人でも、しっかりと大豆製品を摂取しないと十分な量のエクオールはつくられません。エクオール産生菌がしっかりと働けるように、腸内環境を整えておくことが大切です。
一方、エクオール産生菌がいない人にとっても、食物繊維が豊富で腸内細菌のエサになる豆類は積極的に摂りたい食品です。いつもの献立に、納豆や豆腐などの大豆製品をいつもの献立にプラスするよう心がけましょう。
エクオール産生菌がいる人でも、しっかりと大豆製品を摂取しないと十分な量のエクオールはつくられません。エクオール産生菌がしっかりと働けるように、腸内環境を整えておくことが大切です。
一方、エクオール産生菌がいない人にとっても、食物繊維が豊富で腸内細菌のエサになる豆類は積極的に摂りたい食品です。いつもの献立に、納豆や豆腐などの大豆製品をいつもの献立にプラスするよう心がけましょう。
腸内細菌と女性ホルモンの関係
女性ホルモン(エストロゲン)と
似た働きをするエクオール
腸内細菌はホルモンバランスと関係があり、
女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの量にも影響を与えることが知られています。
エストロゲンは卵巣などでつくられた後、全身に運ばれ各所で効果を発揮します。その後、肝臓で抱合型となり、胆汁に分泌され腸に排出されます。また一部は腎臓から尿中に排出されます。
しかし、さまざまな要因で腸内菌叢のバランスが乱れると、
排出されるはずの抱合型のエストロゲンが腸内細菌の働きによってもとのエストロゲンに戻され、腸から再吸収され体内を循環することに。
これにより体内のエストロゲンが必要以上に増えてしまうことで、乳がんなどの発症リスクに影響を与えるとされています。
腸内細菌がエストロゲンの排出と再吸収の両方に影響を与えることからも、
日ごろから腸内菌叢を良い状態に保つことがホルモンバランスを整えることにつながるといえそうです。
腸内細菌はホルモンバランスと関係があり、
女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの量にも影響を与えることが知られています。
エストロゲンは卵巣などでつくられた後、全身に運ばれ各所で効果を発揮します。その後、肝臓で抱合型となり、胆汁に分泌され腸に排出されます。また一部は腎臓から尿中に排出されます。
しかし、さまざまな要因で腸内菌叢のバランスが乱れると、
排出されるはずの抱合型のエストロゲンが腸内細菌の働きによってもとのエストロゲンに戻され、腸から再吸収され体内を循環することに。
これにより体内のエストロゲンが必要以上に増えてしまうことで、乳がんなどの発症リスクに影響を与えるとされています。
腸内細菌がエストロゲンの排出と再吸収の両方に影響を与えることからも、
日ごろから腸内菌叢を良い状態に保つことがホルモンバランスを整えることにつながるといえそうです。
摂り過ぎは危険!女性ホルモンはバランスが大切
女性ホルモン(エストロゲン)と
似た働きをするエクオール
「プエラリア・ミリフィカ」をご存知でしょうか。
これはタイなどに分布する植物で、植物性エストロゲンの成分が含まれていることから、日本でも美容を目的とした健康食品として販売されています。
しかし、危害情報が消費生活センターなど に多く寄せられ、国や医師会などからも注意喚起がなされることに。問題は同品のエストロゲン活性が強すぎたこと。
大豆に含まれているイソフラボン類の 約1,000~10,000倍とされており、こうした強すぎるエストロゲン活性物質を摂取しすぎると、女性ホルモンのバランスが乱れて生理不順などをはじめさまざまな健康危害が起きる可能性が高くなってしまうのです。
女性ホルモンは多ければいいというものではなく、バランスが大切であることを理解しておきましょう。
「プエラリア・ミリフィカ」をご存知でしょうか。
これはタイなどに分布する植物で、植物性エストロゲンの成分が含まれていることから、日本でも美容を目的とした健康食品として販売されています。
しかし、危害情報が消費生活センターなど に多く寄せられ、国や医師会などからも注意喚起がなされることに。問題は同品のエストロゲン活性が強すぎたこと。
大豆に含まれているイソフラボン類の 約1,000~10,000倍とされており、こうした強すぎるエストロゲン活性物質を摂取しすぎると、女性ホルモンのバランスが乱れて生理不順などをはじめさまざまな健康危害が起きる可能性が高くなってしまうのです。
女性ホルモンは多ければいいというものではなく、バランスが大切であることを理解しておきましょう。