近年、腸の状態が全身の健康に影響することが知られるようになってきました。そのカギを握る存在として注目されているのが「腸内細菌」。その集まった姿は「腸内細菌叢(腸内フローラ)」と呼ばれています。腸内細菌叢の乱れは、さまざまな形で健康に悪影響を与えることが知られています。
近年、腸の状態が全身の健康に影響することが知られるようになってきました。そのカギを握る存在として注目されているのが「腸内細菌」。その集まった姿は「腸内細菌叢(腸内フローラ)」と呼ばれています。腸内細菌叢の乱れは、さまざまな形で健康に悪影響を与えることが知られています。
監修
監修
北里大学医学部 消化器内科学 主任教授
草野 央先生
北里大学医学部 消化器内科学 主任教授
草野 央先生
平成12年北里大学医学部卒業。東京医科大学内科学第四講座講師、日本大学医学部消化器内科学分野診療准教授などを経て、令和3年より現職。専門は内視鏡治療(消化管腫瘍)、消化管疾患全般。
平成12年北里大学医学部卒業。東京医科大学内科学第四講座講師、日本大学医学部消化器内科学分野診療准教授などを経て、令和3年より現職。専門は内視鏡治療(消化管腫瘍)、消化管疾患全般。
総合監修
総合監修
自治医科大学 名誉教授
菅野 健太郎先生
自治医科大学 名誉教授
菅野 健太郎先生
1973年東京大学医学部医学科卒業。76年東京大学医学部第三内科に所属、アメリカ留学後、85年同大学医学部第三内科助手、91年東京大学保健センター助教授・副所長。98年自治医科大学消化器内科主任教授。2014年より同大学名誉教授。日本消化器関連学会機構理事長、アジア太平洋消化器学会機構理事長などを歴任。
消化管の細胞生物学的研究(消化管ホルモン、酸分泌機構、細菌と胃癌)ならびに消化管疾患の治療と予防に関する研究を行っている。
1973年東京大学医学部医学科卒業。76年東京大学医学部第三内科に所属、アメリカ留学後、85年同大学医学部第三内科助手、91年東京大学保健センター助教授・副所長。98年自治医科大学消化器内科主任教授。2014年より同大学名誉教授。日本消化器関連学会機構理事長、アジア太平洋消化器学会機構理事長などを歴任。
消化管の細胞生物学的研究(消化管ホルモン、酸分泌機構、細菌と胃癌)ならびに消化管疾患の治療と予防に関する研究を行っている。
その① 便通異常
その① 便通異常
腸内環境が悪化すると、便秘や下痢などお腹の不調が現れてきます。便秘はごくありふれた症状なので放置されがちですが、他の疾患を招く原因にもなるため、早めの対処が大切です。
腸内環境が悪化すると、便秘や下痢などお腹の不調が現れてきます。便秘はごくありふれた症状なので放置されがちですが、他の疾患を招く原因にもなるため、早めの対処が大切です。
その② アレルギー
その② アレルギー
近年の研究では、アレルギー疾患の患者さんの腸内細菌叢に特定の細菌が目立って増加していたり、特定の細菌が過剰な免疫を抑制したりと、アレルギーに腸内細菌が関与していることが分かってきました。
近年の研究では、アレルギー疾患の患者さんの腸内細菌叢に特定の細菌が目立って増加していたり、特定の細菌が過剰な免疫を抑制したりと、アレルギーに腸内細菌が関与していることが分かってきました。
その③ うつ
その③ うつ
うつ病患者さんの腸内細菌叢を調べた研究では、ビフィズス菌や乳酸菌の数が、うつ病でない人と比べて少ない傾向だったという報告もあります。
うつ病患者さんの腸内細菌叢を調べた研究では、ビフィズス菌や乳酸菌の数が、うつ病でない人と比べて少ない傾向だったという報告もあります。
その④ 動脈硬化
その④ 動脈硬化
動脈硬化も腸内細菌が影響していると考えられており、冠動脈疾患の患者さんと健康な人を比べると、腸内細菌叢に違いが見られるとの研究結果も出ています。
動脈硬化も腸内細菌が影響していると考えられており、冠動脈疾患の患者さんと健康な人を比べると、腸内細菌叢に違いが見られるとの研究結果も出ています。
腸内にはさまざまな種類の細菌が数多く生息しています。それぞれの細菌には個性があり、健康にとってよい働きをする細菌がいる一方、増えすぎると体に悪影響を与える細菌もいます。健康を維持するためには、腸内細菌に多様性があり、バランスが保たれていることが重要です。
腸内にはさまざまな種類の細菌が数多く生息しています。それぞれの細菌には個性があり、健康にとってよい働きをする細菌がいる一方、増えすぎると体に悪影響を与える細菌もいます。健康を維持するためには、腸内細菌に多様性があり、バランスが保たれていることが重要です。
「たかが便秘で病院に行くのは気が引ける」と思い、便秘の症状を我慢したり自分で対処したりする人は少なくありません。しかし、それは便秘を悪化させるだけでなく、体のさまざまな部位に悪影響を与える場合もあります。
「たかが便秘で病院に行くのは気が引ける」と思い、便秘の症状を我慢したり自分で対処したりする人は少なくありません。しかし、それは便秘を悪化させるだけでなく、体のさまざまな部位に悪影響を与える場合もあります。
悪影響① 便秘が悪化しさらにひどい便秘に
悪影響① 便秘が悪化しさらにひどい便秘に
便は腸の中に長時間留まっていることで水分が失われ、硬くなっていきます。それによって便は一層出にくくなり、どんどんたまってしまいます。
便は腸の中に長時間留まっていることで水分が失われ、硬くなっていきます。それによって便は一層出にくくなり、どんどんたまってしまいます。
悪影響② 日常生活にも悪い影響を
悪影響② 日常生活にも悪い影響を
便秘によって生活の質が低下することも問題です。トイレの時間が長くなったり便通が気になって外出する気がなくなったりと、生活にも悪影響を及ぼします。
便秘によって生活の質が低下することも問題です。トイレの時間が長くなったり便通が気になって外出する気がなくなったりと、生活にも悪影響を及ぼします。
悪影響③ さまざまな疾患の原因にも
悪影響③ さまざまな疾患の原因にも
便秘によって腸内環境が乱れると、腸内細菌が産生する毒素などが腸の壁から血液中に侵入してしまいます。その毒素が全身に運ばれ、腎臓病や心疾患など様々な病気のリスクを高めます。
便秘によって腸内環境が乱れると、腸内細菌が産生する毒素などが腸の壁から血液中に侵入してしまいます。その毒素が全身に運ばれ、腎臓病や心疾患など様々な病気のリスクを高めます。
便秘は、仕事や家事、睡眠などのQOL(生活の質)の低下につながるだけでなく、腸内環境の乱れによってさまざまな悪影響を及ぼすことも。お腹も心もスッキリさせるために、適切に対処することが大切です。
さまざまな不調のきっかけにもなる「便秘」は放置しないようにしましょう。
便秘は、仕事や家事、睡眠などのQOL(生活の質)の低下につながるだけでなく、腸内環境の乱れによってさまざまな悪影響を及ぼすことも。お腹も心もスッキリさせるために、適切に対処することが大切です。
さまざまな不調のきっかけにもなる「便秘」は放置しないようにしましょう。