子どもの頃、「おなかを冷やすと風邪をひくよ」と言われたことはありませんか?
おなかを冷やすと、腸の働きがにぶり、便秘や下痢になったり、風邪をひきやすくなったりします。それらを予防するために、体の内側と外側の両方からおなかを温めましょう。
子どもの頃、「おなかを冷やすと風邪をひくよ」と言われたことはありませんか?
おなかを冷やすと、腸の働きがにぶり、便秘や下痢になったり、風邪をひきやすくなったりします。それらを予防するために、体の内側と外側の両方からおなかを温めましょう。
監修
監修
イシハラクリニック副院長
石原 新菜先生
イシハラクリニック副院長
石原 新菜先生
漢方医学、食事療法などを積極的に取り入れ、種々の病気の治療にあたる。著書に「カラダの不調が消える奇跡の『腹巻き健康法』」など。
漢方医学、食事療法などを積極的に取り入れ、種々の病気の治療にあたる。著書に「カラダの不調が消える奇跡の『腹巻き健康法』」など。
体が冷えると体調が悪くなることがあります。「おなかを冷やさないように」と、子どもの頃に教えられた人も多いのではないでしょうか。なぜでしょう?
それは、おなかが冷えることで交感神経が優位になるからです。交感神経が優位になると腸の血流や動きが悪くなり便も腸に停滞してしまい、便秘になりやすくなります。
また、血流が悪くなると、胃の働きも低下させます。極端な冷え=血流の悪化は、食べ物を消化・吸収する働きを弱め、下痢を招くこともあります。
体が冷えると体調が悪くなることがあります。「おなかを冷やさないように」と、子どもの頃に教えられた人も多いのではないでしょうか。なぜでしょう?
それは、おなかが冷えることで交感神経が優位になるからです。交感神経が優位になると腸の血流や動きが悪くなり便も腸に停滞してしまい、便秘になりやすくなります。
また、血流が悪くなると、胃の働きも低下させます。極端な冷え=血流の悪化は、食べ物を消化・吸収する働きを弱め、下痢を招くこともあります。
おなかの冷えは、免疫細胞の活動も低下させます。
免疫細胞の約7割は腸に集まっているといわれています。そのため、腸の働きが低下すると免疫細胞の活動も低下し、感染症にかかりやすくなってしまいます。
リンパ球減少症※の男女(28歳〜70歳)の6人に、睡眠中や日中、湯たんぽでおなか周りや手足を温めてもらうという研究が行われたところ、リンパ球が大幅に増加した1)という報告もあります。リンパ球は白血球の一つで免疫細胞の仲間ですので、おなかや手足を温めることは免疫細胞の活動維持にも大切なのかもしれません。
おなかの冷えは、免疫細胞の活動も低下させます。
免疫細胞の約7割は腸に集まっているといわれています。そのため、腸の働きが低下すると免疫細胞の活動も低下し、感染症にかかりやすくなってしまいます。
リンパ球減少症※の男女(28歳〜70歳)の6人に、睡眠中や日中、湯たんぽでおなか周りや手足を温めてもらうという研究が行われたところ、リンパ球が大幅に増加した1)という報告もあります。リンパ球は白血球の一つで免疫細胞の仲間ですので、おなかや手足を温めることは免疫細胞の活動維持にも大切なのかもしれません。
※白血球の一種であるリンパ球の数が異常に少なくなる病気
※白血球の一種であるリンパ球の数が異常に少なくなる病気
おなかを温めて、便秘や下痢を予防し、腸や免疫細胞が元気に働く生活を心がけましょう。
1. 体を外から温める
おなかを冷やさないためには、普段からあまり薄着をしないことです。寒い冬はもちろん、夏でもエアコンの効いている場所では、薄手の腹巻きや湯たんぽ、ひざ掛けなどでおなかを守るなど、体を冷やさない工夫をしましょう。
2. 冷たい飲み物や食べ物は控える
また、おなかを冷やす飲み物や食べ物ばかり口にしないことも大切です。冷たいものはのど越しがよく、飲んだ時は美味しいのですが、おなかを冷やしてしまいます。とはいえ暑いので冷たいものが必要な方は一気に飲み込むのではなく、口に含む時間を少しでも長くすることで内臓への負担を和らげましょう。
3. 体を温めるものを食べる
おなかを温める食べ物や飲み物を積極的に摂りましょう。また、加熱した生姜や唐辛子は、体を温める作用があります。玉ねぎや柑橘類、食酢、梅干し、青魚、ナッツ類、緑黄色野菜などには血流改善効果も。
たんぱく質をきちんと摂ることも大切です。食事の後に体が熱くなったことはありませんか?これは体に入った栄養素を分解するときにおこる反応がでることを「食事誘発性熱産生」と言い、タンパク質を接種したときにもっとも大きなエネルギー量が消費され、熱産生が増えるといわれています。
おなかを温めて、便秘や下痢を予防し、腸や免疫細胞が元気に働く生活を心がけましょう。
1. 体を外から温める
おなかを冷やさないためには、普段からあまり薄着をしないことです。寒い冬はもちろん、夏でもエアコンの効いている場所では、薄手の腹巻きや湯たんぽ、ひざ掛けなどでおなかを守るなど、体を冷やさない工夫をしましょう。
2. 冷たい飲み物や食べ物は控える
また、おなかを冷やす飲み物や食べ物ばかり口にしないことも大切です。冷たいものはのど越しがよく、飲んだ時は美味しいのですが、おなかを冷やしてしまいます。とはいえ暑いので冷たいものが必要な方は一気に飲み込むのではなく、口に含む時間を少しでも長くすることで内臓への負担を和らげましょう。
3. 体を温めるものを食べる
おなかを温める食べ物や飲み物を積極的に摂りましょう。また、加熱した生姜や唐辛子は、体を温める作用があります。玉ねぎや柑橘類、食酢、梅干し、青魚、ナッツ類、緑黄色野菜などには血流改善効果も。
たんぱく質をきちんと摂ることも大切です。食事の後に体が熱くなったことはありませんか?これは体に入った栄養素を分解するときにおこる反応がでることを「食事誘発性熱産生」と言い、タンパク質を接種したときにもっとも大きなエネルギー量が消費され、熱産生が増えるといわれています。
中国の伝統医学である中医学では、茶葉を発酵させた紅茶、中国茶などは体を温めるとされています。
一方、緑茶やコーヒーは体を冷やす飲み物といわれますので、飲み過ぎには注意しましょう。
中国の伝統医学である中医学では、茶葉を発酵させた紅茶、中国茶などは体を温めるとされています。
一方、緑茶やコーヒーは体を冷やす飲み物といわれますので、飲み過ぎには注意しましょう。
4. 運動・入浴・睡眠で自律神経のバランスを整える
運動・入浴・睡眠も体温を上げるためには必要な要素。運動で筋肉量や新陳代謝力を高め、入浴で寝る前の体温を高め、睡眠で自律神経のバランスを整えましょう。
5. 腸内環境を整える
おなかを温めていても、腸内環境が乱れていると腸も免疫細胞も元気に働くことができません。日頃から善玉菌を摂って、善玉菌いっぱいの腸内環境に整えておきましょう。
おなかを冷やさない生活を送ることは、腸内細菌にとって居心地の良い環境をつくり、腸や免疫細胞の働きを維持することにもつながります。
善玉菌を摂取する際は、腸内細菌の働きやすい環境に整えたうえで摂ることがおすすめです。
4. 運動・入浴・睡眠で自律神経のバランスを整える
運動・入浴・睡眠も体温を上げるためには必要な要素。運動で筋肉量や新陳代謝力を高め、入浴で寝る前の体温を高め、睡眠で自律神経のバランスを整えましょう。
5. 腸内環境を整える
おなかを温めていても、腸内環境が乱れていると腸も免疫細胞も元気に働くことができません。日頃から善玉菌を摂って、善玉菌いっぱいの腸内環境に整えておきましょう。
おなかを冷やさない生活を送ることは、腸内細菌にとって居心地の良い環境をつくり、腸や免疫細胞の働きを維持することにもつながります。
善玉菌を摂取する際は、腸内細菌の働きやすい環境に整えたうえで摂ることがおすすめです。
<参考文献等>
厚生労働省e-ヘルスネット
1)Madarame T, et al: Biomedical Research,27(1),45-48,2006
<参考文献等>
厚生労働省e-ヘルスネット
1)Madarame T, et al: Biomedical Research,27(1),45-48,2006