運動にはさまざまな健康効果がありますが、実は腸内フローラにもいい影響を与えてくれます。
腸活のためにも、運動する習慣を取り入れてみませんか。
運動にはさまざまな健康効果がありますが、実は腸内フローラにもいい影響を与えてくれます。
腸活のためにも、運動する習慣を取り入れてみませんか。
監修
監修
岡山大大学院 環境生命科学研究科教授
森田 英利先生
岡山大大学院 環境生命科学研究科教授
森田 英利先生
人の健康に関わる腸内フローラについて研究。腸内細菌・乳酸菌などのゲノム解析を行い、機能解明を追求している。
人の健康に関わる腸内フローラについて研究。腸内細菌・乳酸菌などのゲノム解析を行い、機能解明を追求している。
健康な腸を保つためには、腸内にビフィズス菌、乳酸菌、酪酸産生菌などの善玉菌が多いだけでなく、多様性(いろいろな種類の菌がバランス良く存在する様子のこと)も大切です。この多様性が花粉症などのアレルギー疾患、潰瘍性大腸炎やクローン病、うつ病など、さまざまな疾病と関係があることが分かってきており、その疾病患者では腸内細菌の種類が健康な人と比べて減少しているとの報告も多数あります。
健康維持のために運動がよいことは昔から言われていますが、近年腸内フローラ(腸内細菌叢)にもよい影響を与えることがわかりました。
運動部に所属する女子大生※1の腸を調べた研究1)では、運動していないグループに比べて腸内細菌の種類が明らかに多いという結果に。
ハーフマラソン(21.1km)を走る前後※2を比べると腸内細菌に変化があったというレポート2)も。運動がすぐに腸内細菌へ影響を与えている可能性があります。
健康な腸を保つためには、腸内にビフィズス菌、乳酸菌、酪酸産生菌などの善玉菌が多いだけでなく、多様性(いろいろな種類の菌がバランス良く存在する様子のこと)も大切です。この多様性が花粉症などのアレルギー疾患、潰瘍性大腸炎やクローン病、うつ病など、さまざまな疾病と関係があることが分かってきており、その疾病患者では腸内細菌の種類が健康な人と比べて減少しているとの報告も多数あります。
健康維持のために運動がよいことは昔から言われていますが、近年腸内フローラ(腸内細菌叢)にもよい影響を与えることがわかりました。
運動部に所属する女子大生※1の腸を調べた研究1)では、運動していないグループに比べて腸内細菌の種類が明らかに多いという結果に。
ハーフマラソン(21.1km)を走る前後※2を比べると腸内細菌に変化があったというレポート2)も。運動がすぐに腸内細菌へ影響を与えている可能性があります。
※1:1週間で7時間以上のトレーニングを行い、競技大会に出場している人。
※2:ハーフマラソンは朝8時に開始し、サンプル収集はマラソン前としてマラソン当日の朝(5時~7時)、マラソン後として翌朝(5時~7時)に実施。
※1:1週間で7時間以上のトレーニングを行い、競技大会に出場している人。
※2:ハーフマラソンは朝8時に開始し、サンプル収集はマラソン前としてマラソン当日の朝(5時~7時)、マラソン後として翌朝(5時~7時)に実施。
トップアスリートでは、腸内フローラも"アスリート仕様"に変化するそう。アスリートの腸には腸内細菌の種類が多く、しかもアスリートが効率的にエネルギーを作れる腸内フローラになっているとか3)。
実際に、運動能力を高めるように働く腸内細菌も見つかっています。
トップアスリートが特別に持つ、ある腸内細菌をマウスに与えたところ、運動能力が15%もアップしたというのです3)。
運動が腸内フローラを変化させる詳細なメカニズムはまだ明らかになっていませんが、運動による適度な刺激がよい影響を与えるのでは、と考えられています。
アスリートのようにハードな運動を続けることは難しいと思いますが、楽しむレベルの運動でも、腸内フローラはよくなるのだそう。
ちなみに、1日に必要とされるたんぱく質の量は、ふつうの人では体重1kgに対して1g。激しい練習をするアスリートの場合はその1.2~1.8倍が必要とされています。運動を取り入れたら、たんぱく質も多めに摂るのがおすすめです。
なお、プロテイン(サプリメントなど)はたんぱく質の摂取量を増やすのに効率的ですが、必要以上に摂りすぎると吸収されずに腸の奥まで届き、そのまま体外へ排出されてしまうことも。腸の奥まで届いたプロテインは悪玉菌の大好物でもありますので、おならのにおいが臭くなったり腹部症状を引き起こしたりすることもあります。たんぱく質の摂取に合わせて腸内環境を整えることも大切です。
(高たんぱく質な食事は、腎臓や肝臓に負担をかけることもあるので過度な摂取には注意が必要です。)
運動する習慣と共に、食物繊維を摂ったり、善玉菌を増やす"腸活"を取り入れたりして、腸内環境も健康に元気にしていきましょう。
トップアスリートでは、腸内フローラも"アスリート仕様"に変化するそう。アスリートの腸には腸内細菌の種類が多く、しかもアスリートが効率的にエネルギーを作れる腸内フローラになっているとか3)。
実際に、運動能力を高めるように働く腸内細菌も見つかっています。
トップアスリートが特別に持つ、ある腸内細菌をマウスに与えたところ、運動能力が15%もアップしたというのです3)。
運動が腸内フローラを変化させる詳細なメカニズムはまだ明らかになっていませんが、運動による適度な刺激がよい影響を与えるのでは、と考えられています。
アスリートのようにハードな運動を続けることは難しいと思いますが、楽しむレベルの運動でも、腸内フローラはよくなるのだそう。
ちなみに、1日に必要とされるたんぱく質の量は、ふつうの人では体重1kgに対して1g。激しい練習をするアスリートの場合はその1.2~1.8倍が必要とされています。運動を取り入れたら、たんぱく質も多めに摂るのがおすすめです。
なお、プロテイン(サプリメントなど)はたんぱく質の摂取量を増やすのに効率的ですが、必要以上に摂りすぎると吸収されずに腸の奥まで届き、そのまま体外へ排出されてしまうことも。腸の奥まで届いたプロテインは悪玉菌の大好物でもありますので、おならのにおいが臭くなったり腹部症状を引き起こしたりすることもあります。たんぱく質の摂取に合わせて腸内環境を整えることも大切です。
(高たんぱく質な食事は、腎臓や肝臓に負担をかけることもあるので過度な摂取には注意が必要です。)
運動する習慣と共に、食物繊維を摂ったり、善玉菌を増やす"腸活"を取り入れたりして、腸内環境も健康に元気にしていきましょう。
<参考文献等>
1) Mörkl S, et al: Int J Eat Disord. 50: 1421‒1431, 2017
2) Zhao X, et al: Front Microbiol. 9: 765, 2018
3) Jonathan Scheiman, et al: Nat Med. 25(7):1104-1109, 2019
<参考文献等>
1) Mörkl S, et al: Int J Eat Disord. 50: 1421‒1431, 2017
2) Zhao X, et al: Front Microbiol. 9: 765, 2018
3) Jonathan Scheiman, et al: Nat Med. 25(7):1104-1109, 2019