全体的に髪の量が減っていたり、気がつくと地肌が見えていたり......。
そんな毛髪の悩みにも腸内細菌や腸内細菌がつくるエクオールが関わっていることがわかってきました。
全体的に髪の量が減っていたり、気がつくと地肌が見えていたり......。
そんな毛髪の悩みにも腸内細菌や腸内細菌がつくるエクオールが関わっていることがわかってきました。
監修
監修
桐村 里紗先生
桐村 里紗先生
内科医・認定産業医。予防を重視し、分子整合栄養医学や食にも詳しい。
近著『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)が話題に。
内科医・認定産業医。予防を重視し、分子整合栄養医学や食にも詳しい。
近著『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)が話題に。
最近、髪の量が減って、分け目が広くなったような......それは「びまん性脱毛」かもしれません。
びまんとは"一面に広がる"という意味で、「びまん性脱毛」とは、抜け毛が増えて全体的に髪が薄くなる症状のことです。毛髪サイクルの乱れ、閉経による女性ホルモン量の減少などが原因といわれており、若い女性でも、ストレスやストレスに伴う卵巣機能の低下などで発症する場合があります。
「びまん性脱毛」について、閉経後の女性を対象にした調査1)があります。それによると、腸内でエクオールを作る能力の低い人は、髪の密度が低く、髪が細く柔らかくなる傾向にあり、反対に、エクオールを作る能力の高い人は、年齢を重ねても髪の密度も太さも変わらないという結果が得られました。
また、エクオールを作る能力の低い人は髪のまとまり・ハリ・コシや光沢について悪化していることを実感していました。
最近、髪の量が減って、分け目が広くなったような......それは「びまん性脱毛」かもしれません。
びまんとは"一面に広がる"という意味で、「びまん性脱毛」とは、抜け毛が増えて全体的に髪が薄くなる症状のことです。毛髪サイクルの乱れ、閉経による女性ホルモン量の減少などが原因といわれており、若い女性でも、ストレスやストレスに伴う卵巣機能の低下などで発症する場合があります。
「びまん性脱毛」について、閉経後の女性を対象にした調査1)があります。それによると、腸内でエクオールを作る能力の低い人は、髪の密度が低く、髪が細く柔らかくなる傾向にあり、反対に、エクオールを作る能力の高い人は、年齢を重ねても髪の密度も太さも変わらないという結果が得られました。
また、エクオールを作る能力の低い人は髪のまとまり・ハリ・コシや光沢について悪化していることを実感していました。
女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをするエクオール
女性ホルモン(エストロゲン)と
似た働きをするエクオール
エクオールとは、腸内細菌の一種であるエクオール産生菌が作る成分のことで、女性ホルモンのエストロゲンに似た構造を持つため、女性の健康や美しさへの作用が期待されています。
しかし、最近の研究によると、人の腸内に存在しているエクオール産生菌がきちんとエクオールを産生させているのはアジア圏では約半数に限られること、エクオール産生菌がはたらいている人の腸内細菌は多様性があることがわかってきています2)。
エクオール産生菌にはたらいてもらうためには腸内細菌が多様性を保てるようなライフスタイルが必要ということですね。
エクオールとは、腸内細菌の一種であるエクオール産生菌が作る成分のことで、女性ホルモンのエストロゲンに似た構造を持つため、女性の健康や美しさへの作用が期待されています。
しかし、最近の研究によると、人の腸内に存在しているエクオール産生菌がきちんとエクオールを産生させているのはアジア圏では約半数に限られること、エクオール産生菌がはたらいている人の腸内細菌は多様性があることがわかってきています2)。
エクオール産生菌にはたらいてもらうためには腸内細菌が多様性を保てるようなライフスタイルが必要ということですね。
エクオールは、大豆イソフラボンの一種に含まれるダイゼインを摂取することで、エクオール産生菌から作られます。そのため、大豆イソフラボンが含まれる大豆製品(豆腐、納豆、豆乳、油揚げ、おからなど)、小豆製品など豆類を食べることが大切です。
また、エクオール産生菌がはたらきやすい腸内環境を作ることも大切です。
エクオール産生能力の高い人の腸内には、「エクオール産生菌」「ビフィズス菌」「乳酸菌」などが多様に存在しているという報告3)もあります。
つまり、豆類とともに良い菌(善玉菌)を摂取してエクオールの産生能力を高めることで、毛量やハリ・光沢といった髪のお悩みを解決することができるかもしれません。
エクオールは、大豆イソフラボンの一種に含まれるダイゼインを摂取することで、エクオール産生菌から作られます。そのため、大豆イソフラボンが含まれる大豆製品(豆腐、納豆、豆乳、油揚げ、おからなど)、小豆製品など豆類を食べることが大切です。
また、エクオール産生菌がはたらきやすい腸内環境を作ることも大切です。
エクオール産生能力の高い人の腸内には、「エクオール産生菌」「ビフィズス菌」「乳酸菌」などが多様に存在しているという報告3)もあります。
つまり、豆類とともに良い菌(善玉菌)を摂取してエクオールの産生能力を高めることで、毛量やハリ・光沢といった髪のお悩みを解決することができるかもしれません。
円形脱毛症は異物から自分を守るために働くべき免疫が自分の毛根を異物と勘違いして攻撃してしまうことで起こることがあります。免疫細胞は腸に約7割が集中していることから、自己免疫疾患にあたる円形脱毛症は、腸内環境の乱れも原因になり得ると考えられており、実際、糞便移植を受けたことで腸内環境が変化し、円形脱毛症が改善した例4)もあります。
腸内環境と毛髪との関係性はまだ研究段階ですが、腸内環境を整えることは、円形脱毛症の予防にも期待できそうですね。
薄毛や抜け毛を予防するためにも、日頃から腸内環境を良好に整えておきましょう。
円形脱毛症は異物から自分を守るために働くべき免疫が自分の毛根を異物と勘違いして攻撃してしまうことで起こることがあります。免疫細胞は腸に約7割が集中していることから、自己免疫疾患にあたる円形脱毛症は、腸内環境の乱れも原因になり得ると考えられており、実際、糞便移植を受けたことで腸内環境が変化し、円形脱毛症が改善した例4)もあります。
腸内環境と毛髪との関係性はまだ研究段階ですが、腸内環境を整えることは、円形脱毛症の予防にも期待できそうですね。
薄毛や抜け毛を予防するためにも、日頃から腸内環境を良好に整えておきましょう。
<参考文献等>
1) Miyakawa H : FRAGRANCE JOURNAL, 49(2), 41-47, 2021
2) Iino C, et al: Nutrients, 11(2),433,2019
3) Yoshikata R, et al: Menopause, 26(3),273-285, 2019
4) Migacz-Gruszka K, et al: Int J Trichology, 11(5): 185-188, 2019
<参考文献等>
1) Miyakawa H : FRAGRANCE JOURNAL, 49(2), 41-47, 2021
2) Iino C, et al: Nutrients, 11(2),433,2019
3) Yoshikata R, et al: Menopause, 26(3),273-285, 2019
4) Migacz-Gruszka K, et al: Int J Trichology, 11(5): 185-188, 2019