健康診断でも検査される血中の脂質について、中性脂肪ってなに?コレステロールとは違うの?など明確に理解できている方は少ないかもしれません。
今回は医師が、中性脂肪やコレステロールなど脂質が血中でどのように存在し、どのような働きをするかなどをお伝えします。
<監修>
新道 香菜子
鹿児島大学医学部卒業。
2年間の研修医終了後、手術麻酔に従事し、2016年に麻酔科専門医を取得。
その後緩和ケア医として従事し、1年間在宅医療に携わる。
日本麻酔科学会、緩和ケア学会所属
健康診断でも検査される血中の脂質について、中性脂肪ってなに?コレステロールとは違うの?など明確に理解できている方は少ないかもしれません。
今回は医師が、中性脂肪やコレステロールなど脂質が血中でどのように存在し、どのような働きをするかなどをお伝えします。
<監修>
新道 香菜子
鹿児島大学医学部卒業。
2年間の研修医終了後、手術麻酔に従事し、2016年に麻酔科専門医を取得。
その後緩和ケア医として従事し、1年間在宅医療に携わる。
日本麻酔科学会、緩和ケア学会所属
脂質(あぶらの仲間)は、動物の体に不可欠なものですが、そのままだと、血液中の水分とうまくなじまないので、血液の中を運搬して体の各部位の間でやり取りすることが難しくなります。
脂質は、中性脂肪(トリグリセリド、トリグリセライド、TG)やコレステロールといった物質として体の中に存在します。
さらに、中性脂肪やコレステロールが組み合わさり、水になじみやすいようにタンパク質などと結合したものが、LDLやHDLと呼ばれるような物質です。
食物中の脂質は、腸で取り込まれ、最初は中性脂肪が多く含まれた物質となり、血液中に入ります。血液をめぐり、脂肪細胞に届くと、中性脂肪は脂肪細胞に蓄えられます。
脂肪組織は、皮下脂肪として体温を保ったり、内臓を衝撃から守ったりする役割があります。また肝臓の細胞でも中性脂肪が取り込まれ、エネルギー源になったり、他の脂質に加工されたりします。
脂質(あぶらの仲間)は、動物の体に不可欠なものですが、そのままだと、血液中の水分とうまくなじまないので、血液の中を運搬して体の各部位の間でやり取りすることが難しくなります。
脂質は、中性脂肪(トリグリセリド、トリグリセライド、TG)やコレステロールといった物質として体の中に存在します。
さらに、中性脂肪やコレステロールが組み合わさり、水になじみやすいようにタンパク質などと結合したものが、LDLやHDLと呼ばれるような物質です。
食物中の脂質は、腸で取り込まれ、最初は中性脂肪が多く含まれた物質となり、血液中に入ります。血液をめぐり、脂肪細胞に届くと、中性脂肪は脂肪細胞に蓄えられます。
脂肪組織は、皮下脂肪として体温を保ったり、内臓を衝撃から守ったりする役割があります。また肝臓の細胞でも中性脂肪が取り込まれ、エネルギー源になったり、他の脂質に加工されたりします。
中性脂肪やコレステロールは体にとって不可欠なものではあるのですが、多すぎると、血管の壁が狭くもろくなり、全身で様々な問題を引き起こすことがあります。また、中性脂肪が高すぎると、膵臓にもダメージが起こる場合があると言われています。
中性脂肪やコレステロールは体にとって不可欠なものではあるのですが、多すぎると、血管の壁が狭くもろくなり、全身で様々な問題を引き起こすことがあります。また、中性脂肪が高すぎると、膵臓にもダメージが起こる場合があると言われています。
血液中の中性脂肪の基準値としては、30~149㎎/dlが正常とされています。中性脂肪は食後に増加するため、検査前10時間程度は、食事をせず、水以外は飲まない状態で血液検査をするのが理想的です。
血液中の中性脂肪の基準値としては、30~149㎎/dlが正常とされています。中性脂肪は食後に増加するため、検査前10時間程度は、食事をせず、水以外は飲まない状態で血液検査をするのが理想的です。
中性脂肪が高すぎる場合には、食べすぎ・運動不足がないか生活を振り返り、改善できるところから改善していきます。遺伝的に、中性脂肪を適切に処理するための物質がうまくできないために、食事・運動などの努力を行っても数値が思うように改善しない方もいるとされています。
いわゆる「あぶらっこい食べ物」を控えていても、全体的なカロリーが多かったり、アルコールを飲みすぎていたりすると、中性脂肪値が高くなることもあります。
性別・年齢・今までにかかった病気・飲んでいる薬・血のつながった家族の持病・喫煙や飲酒の有無などをもとに、どのような治療を行っていくかが決定されます。定期的に中性脂肪値を確認し、食事・運動・薬での治療などを見直していく必要があります。
中性脂肪が低すぎる場合、過度の食事制限や低脂質食、脂質の吸収障害、ホルモン異常などの可能性があります。基本的には、中性脂肪が低値でも健康への影響は少ないと考えられますが、持続する場合には上記の様な原因の検索が必要です。
中性脂肪値が低すぎる場合には、過剰なダイエットや運動がないかを振り返り、甲状腺・副腎・女性ホルモンなどホルモンの不調がないか血液などでの検査を行うこともあります。
中性脂肪が高すぎる場合には、食べすぎ・運動不足がないか生活を振り返り、改善できるところから改善していきます。遺伝的に、中性脂肪を適切に処理するための物質がうまくできないために、食事・運動などの努力を行っても数値が思うように改善しない方もいるとされています。
いわゆる「あぶらっこい食べ物」を控えていても、全体的なカロリーが多かったり、アルコールを飲みすぎていたりすると、中性脂肪値が高くなることもあります。
性別・年齢・今までにかかった病気・飲んでいる薬・血のつながった家族の持病・喫煙や飲酒の有無などをもとに、どのような治療を行っていくかが決定されます。定期的に中性脂肪値を確認し、食事・運動・薬での治療などを見直していく必要があります。
中性脂肪が低すぎる場合、過度の食事制限や低脂質食、脂質の吸収障害、ホルモン異常などの可能性があります。基本的には、中性脂肪が低値でも健康への影響は少ないと考えられますが、持続する場合には上記の様な原因の検索が必要です。
中性脂肪値が低すぎる場合には、過剰なダイエットや運動がないかを振り返り、甲状腺・副腎・女性ホルモンなどホルモンの不調がないか血液などでの検査を行うこともあります。
中性脂肪とコレステロールは関係が深いですが、必ずしも比例しているとは限らず、中性脂肪値は低いのにコレステロール値は高いといった場合もあります。
LDL(悪玉)やHDL(善玉)は中性脂肪やコレステロールとタンパク質が結び付いた物質で、LDLは血液中のコレステロールを肝臓から全身の細胞に運ぶ役割があり、HDLは全身の細胞からコレステロールを回収して肝臓に戻す役割があります。
現在の基準では、LDLについては、140mg/dl以上だと高LDLコレステロール血症と呼ばれ、HDLについては、40mg/dl未満だと低HDLコレステロール血症と呼ばれます。
血液中にはLDLやHDLだけでなく、そのほかにもさまざまな脂質があり、様々な脂質をまとめて考え、HDLを取り除いたものをnon-HDLと呼び一つの指標となっています。170mg/dl以上だと、高non-HDLコレステロール血症と呼ばれています。
ただし、この数値を超えれば直ちに治療対象になるわけではなく、年齢・性別・持病があるかなどを総合的に考えて方針を決めることになります。
中性脂肪とコレステロールは関係が深いですが、必ずしも比例しているとは限らず、中性脂肪値は低いのにコレステロール値は高いといった場合もあります。
LDL(悪玉)やHDL(善玉)は中性脂肪やコレステロールとタンパク質が結び付いた物質で、LDLは血液中のコレステロールを肝臓から全身の細胞に運ぶ役割があり、HDLは全身の細胞からコレステロールを回収して肝臓に戻す役割があります。
現在の基準では、LDLについては、140mg/dl以上だと高LDLコレステロール血症と呼ばれ、HDLについては、40mg/dl未満だと低HDLコレステロール血症と呼ばれます。
血液中にはLDLやHDLだけでなく、そのほかにもさまざまな脂質があり、様々な脂質をまとめて考え、HDLを取り除いたものをnon-HDLと呼び一つの指標となっています。170mg/dl以上だと、高non-HDLコレステロール血症と呼ばれています。
ただし、この数値を超えれば直ちに治療対象になるわけではなく、年齢・性別・持病があるかなどを総合的に考えて方針を決めることになります。
中性脂肪やコレステロールは、高いか低いかが自覚症状として現れにくく、血液検査をしないと分からない面が多いと思われます。健康診断、人間ドックなどの結果を見直し、異常があれば内科などで相談して、対応していきましょう。
▪参考文献
・厚生労働省 e-ヘルスネット
・日本動脈硬化学会
・国立循環器病研究センター
・日本人間ドック学会
中性脂肪やコレステロールは、高いか低いかが自覚症状として現れにくく、血液検査をしないと分からない面が多いと思われます。健康診断、人間ドックなどの結果を見直し、異常があれば内科などで相談して、対応していきましょう。
▪参考文献
・厚生労働省 e-ヘルスネット
・日本動脈硬化学会
・国立循環器病研究センター
・日本人間ドック学会