女性の「ホルモンバランス」は乱れやすい!整える方法とは?

女性の場合、ホルモンバランスの乱れが原因で体調に変化が生じることが多々あります。しかし、ホルモンバランスの乱れとはいったい何なのか、正しく知っている方はあまり多くないかもしれません。ホルモンバランスの乱れとは何か、なぜ起きるのか、乱れたホルモンバランスを整える方法はあるのかなど、女性ホルモンとうまくつき合うためのウェルネスコラムをお届けします。

<監修>

橋口玲子先生
緑蔭診療所 副院長

はしぐち・れいこ1954年生まれ。東邦大学医学部卒業。医学博士。内科・小児科医、循環器専門医。神奈川県南足柄市にある緑蔭診療所で、西洋医学に漢方やアロマセラピー、ハーブを取り入れた診療を実践。セルフケアの指導も行う。著書に「補完・代替医療 ハーブ療法」(金芳堂)、「アロマ&ハーブセラピー手帖」(マイナビ出版)、「専門医が教える 体にやさしいハーブ生活」(幻冬舎)、「40歳からの幸せダイエット」(講談社)など。

目次

ホルモンバランスとは?

一般的に「ホルモンバランス」というと、それは卵巣ホルモンから分泌される2つの女性ホルモン、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)を指すことが多いです。エストロゲンとプロゲステロンは、互いにバランスを取り合いながら分泌されています。

例えば、エストロゲンは月経終了後から排卵日にかけての期間に比較的多く分泌されますが、この時期にエストロゲンの分泌量が多くなるのは、まもなく起こる排卵~妊娠に備えるためです。卵巣内の卵胞を成熟させたり、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を厚くしたり、妊娠に耐えられるよう血管をしなやかに保ったり、骨密度を維持したりなど、様々な変化を体に与えます。そのようにエストロゲンが行った準備を、排卵後に引き継ぐのがプロゲステロンの役割です。排卵後から月経開始前までの間はプロゲステロンの分泌量が多くなり、妊娠を成立させるため、受精卵が着床しやすい状態に子宮内膜を整えたり、体温を上げたり、乳腺を発達させたりしています。

このように2つの女性ホルモンがバランスを取りながら分泌されているのが、いわゆる「ホルモンバランスが整った状態」にあたります。上記の図のようなバランスになっているのが最も理想的ですが、実はこのホルモンのバランスはとても繊細で、ちょっとしたことでよく乱れてしまいます。

ホルモンバランスが乱れるとどうなる?

エストロゲンとプロゲステロンのバランスが乱れた影響は、月経不順や不妊となって体に現れます。

月経不順

ホルモンバランスの乱れが月経の周期に影響し、長くなったり短くなったりすることがあります。通常、月経周期(月経の開始日~次の月経開始日までの期間)は25~40日の範囲内であれば問題ないといわれており、これより短かったり長かったりする場合には、月経不順があると考えられます。

過多月経

経血の量が多い、または期間が長い場合を過多(かた)月経といいます。ホルモンバランスの乱れの他に、子宮筋腫と呼ばれる、子宮の中にできたコブが原因になっている可能性もあります。

過少月経

過多月経とは反対に、経血の量が少なかったり、期間が短かったりする場合を過少(かしょう)月経といいます。月経期間は3~7日が一般的といわれていますが、これより短かったり、経血がほとんどなかったりすると、過少月経と判断されることがあります。

無月経

妊娠や閉経、ホルモン療法などをしていないのに3カ月以上月経がない場合、無月経と呼ばれる、婦人科の受診が必要な状態であると考えられます。「月経がないとラク」と感じる人がいるかもしれませんが、本来あるべきものがないと、骨や血管がもろくなるなど、目には見えないところから徐々に健康が脅かされていきます。早めに医療機関を受診しましょう。

不妊

ホルモンバランスの乱れだけが原因ではありませんが、中にはホルモンバランスが乱れて排卵が起きず、妊娠しづらい状態になっている人もいます。

ホルモンバランスが乱れてしまう原因は?

女性の体に様々な影響を生じさせるホルモンバランスの乱れは、なぜ起こるのでしょうか。それにはストレスが大きくかかわっていると考えられます。
エストロゲンとプロゲステロンが一定のバランスで周期的に分泌されるには、これらの分泌をつかさどっている、脳の視床下部や脳下垂体から、「ホルモンを分泌させなさい」という指令が正しく出される必要があります。この指令を出す場所である視床下部や脳下垂体はとてもデリケートで、ストレスによる影響を受けやすい傾向があります。それがきっかけで月経不順や過多月経、過少月経などを引き起こすことは少なくありません。

ストレスの他には、無理なダイエットや睡眠不足などもホルモンバランスを乱す一因になります。無理なダイエットによって急激に体重を減らしたり、食事の量を少なくしたりすると、脳の視床下部や脳下垂体では「急激な変化があった!体のピンチだ!」という判断を下し、生命の維持を優先して月経をとめる指令を出します。それによってホルモンバランスが乱れてしまうことがあります。睡眠不足も同様です。ホルモンバランスを整えるにはまず、健康な体を保つことが重要といえます。

ホルモンバランスを整える方法

ホルモンバランスが乱れても、すぐに病気や異常につながるわけではありませんが、生じた乱れは早めに整えておいたほうが後々ラクになります。ホルモンバランスを整えるためのセルフケアを幾つかご紹介しましょう。

十分な睡眠をとる

慢性的な睡眠不足は眠気を引き起こし、やる気や記憶力を妨げる他、ホルモン分泌や自律神経にも影響を与えることが知られています。また高血圧などの生活習慣病の発症や悪化をもたらすなど、健康に多大な影響を及ぼす恐れもあります。ホルモンバランスの乱れに加え、こうした健康被害を避けるためにも、十分な睡眠時間を確保する、睡眠の質を高めるなどの対策を取っておきましょう。

リラックスできる時間をつくり、ストレスを軽減させる

ホルモンバランスを整えるには、ホルモンの分泌を乱す要因となるストレスをなるべく軽減させることが重要です。忙しい毎日を過ごしている現代人には難しいかもしれませんが、何も考えずボーッとできるような時間をつくるなど、積極的にストレスを軽減させる方法を取りましょう。

バランスのよい食事を摂る

バランスのよい食事は健康の基本です。ホルモンバランスを整え、健康な体を維持するためにもごはんなどの主食、タンパク質を中心とした主菜、副菜、果物がそろったバランスのよい食事を摂り、栄養が偏らないよう心がけましょう。偏った食事は貧血を招く恐れもあるため要注意です。

無理なダイエットはしない

無理なダイエットはホルモンバランスの乱れを引き起こす原因のひとつです。仮にダイエットによって体重が減ったとしても、健康を害してしまっては元も子もありません。目先の減量だけにとらわれず、体のことをトータルで考え、無理な減量をするのはやめましょう。

これらのセルフケアによって体調を整え、ホルモンバランスも整えていきましょう。ただし、無月経がある場合はセルフケアに頼らず、できるだけ早めに医療機関を受診し、月経の回復に努めることをおすすめします。
「ずっとこうだったから自分は大丈夫」とは思わずに、ちょっとでも気になることがあれば医師に相談するなどして、自分の体を大切にしてあげてください。