第一話

菜々美 素直で頑張り屋の三女(15歳)編

いよいよ来週にせまった高校入試。よーっし!ラストスパート!っていきたいとこだけど、

「ここまでこんなに頑張ってきたのに、うまくいかなかったらどうしよう・・」

考えるだけで肩に力が入るし、昨日からなんだか頭が痛くて集中できないや…。

―コンコン

ノックの音が聞こえて振り返ると、

「遅くまでおつかれさま、ちょっと休憩したら?」
お母さんが手作りのフルーツケーキと紅茶を持って入ってきた。

「わぁありがとう!やっぱり、うまくいかなかったらどうしようって不安で
勉強していないと落ち着かないんだよね…」

「大丈夫よ。菜々美が頑張ってきたのお母さん見てたもの。
それに結果がどうであれ、頑張ったこと自体に価値があるとお母さんは思うわ。
夢や目標をもって頑張れる菜々美は十分素敵よ。」

お母さん…。
いつもお母さんが支えてくれる。いつもお母さんが見てくれている。
そう思うだけで自然と肩の力が抜ける気がした。

「この経験は将来きっと役に立つから。受験もきっと上手くいくわ。大丈夫。」

そういうとお母さんはポンポン、と私の肩を両手で叩いた。
じんわり温かい気持ちになる。

「あ、そうそう、それからこれも」
そういってお母さんがそっと渡してくれたのはナロンエースだった。

「菜々美は緊張すると頭痛になりやすいからね」

お母さんは私のことを何でもわかってる。
もしかしたら私より?そう思うとなんだか涙が出そうになった。

「お母さんは菜々美の味方だからね!」
「お母さんありがとう… 私、がんばるね!」

私はお母さんからもらったナロンエースを机の目立つ場所に置いた。
よーっし!後悔しないように、あと1週間がんばろう!