寝苦しい夜の快眠ポイント

寝苦しい夜の快眠ポイント 寝苦しい夜の快眠ポイント

「熟眠できていない感じがする……」「寝ても寝ても眠い」など、疲れが取り切れていない状態で一日を過ごすことはとても憂うつですね。

できればスッキリ目覚めて、熟眠感があり、疲れのない状態で一日のスタートを切りたいもの。
今回は、快眠ポイントを紹介します。

<監修>
見波 利幸(みなみ としゆき)
一般社団法人日本メンタルヘルス講師認定協会 代表理事
野村総合研究所やキヤノン系グループなどでメンタルヘルスの主席研究員として、メンタルヘルスの黎明期よりいち早く1日研修を実施するなど日本のメンタルヘルス研修の草分け。
2015年より日本メンタルヘルス講師認定協会の代表理事に就任。

疲労回復には良質な睡眠が一番!

疲労は大きく、「身体的な疲労」と「精神的な疲労(大脳の疲労)」があります。

その2つの疲労回復のためには睡眠が必須です。

そして睡眠も、2つの種類があります。
主に大脳の睡眠にとても重要な役割を果たす「ノンレム睡眠」と、主に体の睡眠に重要な役割を果たす「レム睡眠」です。

人は、入眠すると浅い睡眠の、「睡眠段階1、2」を経て徐々に深くなり、「睡眠段階3」から最後は一番深い「睡眠段階4」に至ります。これがノンレム睡眠です。

そして、また徐々に浅くなり「睡眠段階1」を経てレム睡眠に入ります。

これが睡眠サイクルというもので、この1サイクルが夜間の睡眠の間に4~5回繰り返されて覚醒となります。

このサイクルをしっかり循環させることがとても重要となります。

良質な睡眠とは?

良質な睡眠とは? 良質な睡眠とは?

良質な睡眠とはなんでしょうか?
以下の3つを確認してみましょう。

①入眠困難
寝付くまでに20~30分かかるなど、直ぐに入眠できない。

②中途覚醒
途中で何度も目が覚めたり、目が覚めてからなかなか寝付けない。

③早朝覚醒
通常起床する2~3時間前に起きてしまい、それから眠れない。

このどれかにあてはまれば、良質な睡眠ではない可能性があります。

これらに該当するものがなく、目覚めもすっきりして、日中に眠気がない状態であれば、深い睡眠ができている可能性が高くなり、良質な睡眠が取れていると言っていいでしょう。

良質な睡眠のために重要なのは?

先述した睡眠のサイクルは、最初のサイクルで「睡眠段階4」まで到達し、次のサイクル以降で徐々に浅くなる傾向があります。

また、レム睡眠の時間も最初のサイクルでは短いのですが、回数を繰り返すごとに徐々に長くなる傾向があります。

良質な睡眠を取るためには、最初のサイクルで「睡眠段階4」になる必要があります。

最初のサイクルで「睡眠段階3」に留まってしまえば、それ以降はさらに浅くなりやすくなるので、全体として浅い睡眠となってしまいます。

また、睡眠不足の状態で睡眠サイクルをしっかりと循環できていないと必要なレム睡眠が取れなくなってしまいます。

その人に必要な睡眠サイクルの長さが大切なのです。

快眠ポイント

良質な睡眠を取るためには、適切な長さと深い睡眠がとても大切です。そのために快眠ポイントして効果的なものを挙げてみます。

ポイント①「寝る前にできるだけ副交感神経を高める」

寝る前にできるだけ副交感神経を高める 寝る前にできるだけ副交感神経を高める

人は、交感神経が優位な状態で寝ようと思ってもなかなか寝付けないものです。

仮に寝付けたとしても睡眠が浅くなってしまうこともあります。

寝る直前には、しっかりと副交感神経を高めることが重要です。

副交感神経を高めるためのポイントがありますので、実践しやすいものから試してみてください。

① 帰宅してから、仕事をしない、仕事のメールチェックをしない、仕事のことを考えない。

② 好きなことをしてくつろぐ、リラックスする。

③ 家族だんらんをする。

④ 小さなお子さんを抱きしめる。

⑤ ペットをかわいがる。

⑥ ぬるめのお風呂にゆったりつかる。

⑦ お笑い番組などを観て、思いっきり笑う。(笑った後に副交感神経が高まる)

⑧ ウルっとくるようなドラマや映画を観て涙を流す。(涙を流した後に副交感神経が高まる)

⑧ 寝床に入ったら、幸せな一時を思い出す。

ポイント②「快適な寝室環境を整える」

快適な寝室環境を整える 快適な寝室環境を整える

適切な室内温度と適切な温度の寝具にすることがとても重要です。

熟睡していると思っていても、寒すぎたり暑すぎたりすると、睡眠の妨げとなり深い睡眠ができていないのです。

人は入眠の際に深部体温が1度低下することにより、「ノンレム睡眠段階4」に入ります。

睡眠に適していると言われている室温は以下のとおりです。

夏季:約26度
冬季:16~19度

また、湿度は季節を問わず50~60%が睡眠に適しているとされています。

適切な室温と湿度を心がけることで不快感を覚えにくくなり、深い睡眠が取りやすくなります。

ポイント③「寝る直前のNG行為」

寝る直前のNG行為 寝る直前のNG行為

良質な睡眠の妨げになることをできるだけ控えることも必要です。
寝る直前にしてはいけないものを挙げてみます。

①寝る直前の満腹や空腹を避け、3~4時間前にはカフェインは取らない。
カフェインは利尿作用があるので、トイレのために起きるなど、中途覚醒にもつながります。

②寝酒のためのアルコールは、睡眠を浅くしてしまいます。アルコールも利尿作用があり、夜中のトイレにつながります。

③寝る直前は部屋を明るくしすぎないようにする。

④寝る直前はPCやスマホを使用せず、ブルーライトを浴びないようにする。

⑤ゲームなどに没頭しすぎない。

⑥寝る直前の激しい運動は避ける。

⑦「今日はあれもできなかった」「明日はあれもやらなければ」と考えない。

まとめ

睡眠は疲労回復だけではなく、健康を保つためにも一番重要なものです。

良質な睡眠を心がけることで、深い睡眠となり、習慣化されることで適切なリズムもできあがります。

朝スッキリ目覚めるように、取り入れやすいものから実践してみてください。

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