糖はエネルギーの源、その役割とベストな摂取タイミングを解説

糖はエネルギーの源、その役割とベストな摂取タイミングを解説

糖はエネルギーの源、その役割とベストな摂取タイミングを解説 糖はエネルギーの源、その役割とベストな摂取タイミングを解説

自分の理想とするパフォーマンスを発揮するためには、エネルギー源としての糖質補給がとても大切です。今回は、糖質補給の必要性と効果的なタイミングについてお伝えします。

<監修>
小野織恵
生活習慣病、慢性腎臓病、透析療法の栄養相談実績は20年で延べ1万件以上。
患者と医療従事者のための慢性腎臓病の勉強会を開催。
健康・栄養のスペシャリストチーム【co.surge】の一員として特定保健指導、オリジナルレシピ開発にも活躍の場を広げる。

自分の理想とするパフォーマンスを発揮するためには、エネルギー源としての糖質補給がとても大切です。今回は、糖質補給の必要性と効果的なタイミングについてお伝えします。

<監修>
小野織恵
生活習慣病、慢性腎臓病、透析療法の栄養相談実績は20年で延べ1万件以上。
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健康・栄養のスペシャリストチーム【co.surge】の一員として特定保健指導、オリジナルレシピ開発にも活躍の場を広げる。

糖がエネルギー源になる仕組み

糖がエネルギー源になる仕組み

糖質・脂質・たんぱく質の三大栄養素のうち、エネルギー源として使用されるのは主に糖質と脂質です。糖質は肝臓、および筋肉中にグリコーゲンとして貯蔵されています。グリコーゲンの基本単位であるグルコース (ブドウ糖) から血液中に血中グルコース (血糖) として溶け込んでいます。しかしグリコーゲンの貯蔵量には限界があり、余分なグルコースは脂質となり、肝臓や脂肪組織に蓄えられます。

これらのグルコースとグリコーゲンの運動時における利用は、最初に筋肉を収縮させたときに筋グリコーゲンが利用されます。そして筋グリコーゲンが枯渇すると、血中グルコースがエネルギー源として細胞内へ取り込まれるのですが、この血中グルコースは、肝臓で貯蔵されていたグリコーゲンが分解されて血液中に放出されたものが主体となります。

糖質・脂質・たんぱく質の三大栄養素のうち、エネルギー源として使用されるのは主に糖質と脂質です。糖質は肝臓、および筋肉中にグリコーゲンとして貯蔵されています。グリコーゲンの基本単位であるグルコース (ブドウ糖) から血液中に血中グルコース (血糖) として溶け込んでいます。しかしグリコーゲンの貯蔵量には限界があり、余分なグルコースは脂質となり、肝臓や脂肪組織に蓄えられます。

これらのグルコースとグリコーゲンの運動時における利用は、最初に筋肉を収縮させたときに筋グリコーゲンが利用されます。そして筋グリコーゲンが枯渇すると、血中グルコースがエネルギー源として細胞内へ取り込まれるのですが、この血中グルコースは、肝臓で貯蔵されていたグリコーゲンが分解されて血液中に放出されたものが主体となります。

エネルギーになりやすい糖質はある?果糖やショ糖は効率がいい?

エネルギーになりやすい糖質はある?果糖やショ糖は効率がいい?

エネルギーになりやすい糖質はある?果糖やショ糖は効率がいい? エネルギーになりやすい糖質はある?果糖やショ糖は効率がいい?

運動後は消費したグリコーゲンを回復する必要がありますが、グリコーゲンの合成はインスリンによって促進されるため、糖質の中でもショ糖(砂糖)やブドウ糖(グルコース)のようにインスリン分泌を強く刺激するものが、グリコーゲンの回復に役立ちます。

しかしながら、運動前・運動中のインスリンの過度の分泌は低血糖を招き、脂肪燃焼を妨げるとされています。以下で効率よく糖類を吸収できると考えられる方法を2つご紹介します。

・パラチノースによる摂取
最近は、砂糖によく似た分子構造を持った「パラチノース」という糖類の研究が進められています。パラチノースはインスリンの分泌を刺激しにくい糖質であり、運動による脂肪燃焼を維持したまま糖質補給を行える物質であると考えられており、運動前や、運動中にパラチノースを摂取することで、有酸素運動の際の脂肪エネルギー燃焼を促進する研究成果が報告されています。


・トランスポーター法
フルーツに多く含まれる果糖はフルクトースといいます。グルコースと同じ単糖類という種類ですが小腸で吸収される際、グルコースとは別な輸送体を経由する性質があり、それを利用した「トランスポーター法」というものがあります。フルクトースとグルコースを同時に吸収する事が可能なため、より多くの糖質を取り込むことができるのです。

また、「マルトデキストリン」はデンプンを加水分解して作られた多糖類で、グルコースが結合した構造をしています。「マルトデキストリン」がグルコース以上に血糖値の上昇スピードが早いことを利用し、果糖であるフルクトースとマルトデキストリンを同時に摂取する新しいトランスポーター法が注目されています。

運動後は消費したグリコーゲンを回復する必要がありますが、グリコーゲンの合成はインスリンによって促進されるため、糖質の中でもショ糖(砂糖)やブドウ糖(グルコース)のようにインスリン分泌を強く刺激するものが、グリコーゲンの回復に役立ちます。

しかしながら、運動前・運動中のインスリンの過度の分泌は低血糖を招き、脂肪燃焼を妨げるとされています。以下で効率よく糖類を吸収できると考えられる方法を2つご紹介します。

・パラチノースによる摂取
最近は、砂糖によく似た分子構造を持った「パラチノース」という糖類の研究が進められています。パラチノースはインスリンの分泌を刺激しにくい糖質であり、運動による脂肪燃焼を維持したまま糖質補給を行える物質であると考えられており、運動前や、運動中にパラチノースを摂取することで、有酸素運動の際の脂肪エネルギー燃焼を促進する研究成果が報告されています。


・トランスポーター法
フルーツに多く含まれる果糖はフルクトースといいます。グルコースと同じ単糖類という種類ですが小腸で吸収される際、グルコースとは別な輸送体を経由する性質があり、それを利用した「トランスポーター法」というものがあります。フルクトースとグルコースを同時に吸収する事が可能なため、より多くの糖質を取り込むことができるのです。

また、「マルトデキストリン」はデンプンを加水分解して作られた多糖類で、グルコースが結合した構造をしています。「マルトデキストリン」がグルコース以上に血糖値の上昇スピードが早いことを利用し、果糖であるフルクトースとマルトデキストリンを同時に摂取する新しいトランスポーター法が注目されています。

トレーニング中に最大限エネルギーを発揮できる糖の摂り方

トレーニング中に最大限エネルギーを発揮できる糖の摂り方

糖質はトレーニングの主なエネルギー源となるので、筋力・瞬発力系のアスリートは体重1kgにつき6g、持久系アスリートは7g~10g程度の摂取が推奨されています。普段から糖質の割合を考慮した食事の内容に気をつけましょう。試合の前はカーボローディング(グリコーゲンローディング)といった、グリコーゲンの貯蔵を目的とした食事内容に切り替えることも効果的と言えます。

グリセミック・インデックス(GI値)にも注目しましょう。GI値とは、ブドウ糖を食べたあとの血糖値の上昇を100とし、その他の食物を食べた後の血糖値の上昇度の比率を表したものです。高GI~中GIの食品は、筋グリコーゲン合成のための糖質として利用されやすく、運動の間や、運動後における回復期の糖質源としてこれらの食品を摂取することが推奨されます。ちなみに、マルトデキストリンのGI値は105と言われています。


【食品GI値分類表】

糖質はトレーニングの主なエネルギー源となるので、筋力・瞬発力系のアスリートは体重1kgにつき6g、持久系アスリートは7g~10g程度の摂取が推奨されています。普段から糖質の割合を考慮した食事の内容に気をつけましょう。試合の前はカーボローディング(グリコーゲンローディング)といった、グリコーゲンの貯蔵を目的とした食事内容に切り替えることも効果的と言えます。

グリセミック・インデックス(GI値)にも注目しましょう。GI値とは、ブドウ糖を食べたあとの血糖値の上昇を100とし、その他の食物を食べた後の血糖値の上昇度の比率を表したものです。高GI~中GIの食品は、筋グリコーゲン合成のための糖質として利用されやすく、運動の間や、運動後における回復期の糖質源としてこれらの食品を摂取することが推奨されます。ちなみに、マルトデキストリンのGI値は105と言われています。


【食品GI値分類表】

食品GI値分類表 食品GI値分類表

運動の最中は、取り込んでいた糖質が枯渇しないように素早い補給を心がけましょう。

運動の最中は、取り込んでいた糖質が枯渇しないように素早い補給を心がけましょう。

摂りすぎは要注意。糖の過剰摂取によるデメリット

摂りすぎは要注意。糖の過剰摂取によるデメリット

糖質はエネルギー源として大変重要な成分ではありますが、過剰摂取は体脂肪量の増加による肥満を招き、競技力の低下のリスクもあります。摂取カロリーと各栄養素の割合、体重のコントロールに努めましょう。

糖質はエネルギー源として大変重要な成分ではありますが、過剰摂取は体脂肪量の増加による肥満を招き、競技力の低下のリスクもあります。摂取カロリーと各栄養素の割合、体重のコントロールに努めましょう。

まとめ

まとめ

今回は運動中の糖質の役割や重要性について戦略的にお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。本番はもちろん練習中もスタミナ切れすることなくパフォーマンスが最大限に発揮できるよう、糖質の摂り方について見直してみるのも良いかもしれません。

【参考文献】
・独立行政法人農畜産業振興機構
・高強度運動後の早期回復を目指した栄養補給に関する研究 東郷将成
・糖尿病ネットワーク
・スローカロリーな糖質「パラチノース」ガイドブック

今回は運動中の糖質の役割や重要性について戦略的にお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。本番はもちろん練習中もスタミナ切れすることなくパフォーマンスが最大限に発揮できるよう、糖質の摂り方について見直してみるのも良いかもしれません。

【参考文献】
・独立行政法人農畜産業振興機構
・高強度運動後の早期回復を目指した栄養補給に関する研究 東郷将成
・糖尿病ネットワーク
・スローカロリーな糖質「パラチノース」ガイドブック

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