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筋トレ時の塩分カットって実は危ない?トレーニング後に摂取すべき量は

暑い環境での作業や運動を行うと「水分摂取しましょう!」という呼びかけを耳にする方も少なくないと思います。これに伴って、塩分の摂取も重要であると言われていますが、果たしてどの程度塩分摂取を心がけるべきなのでしょうか?

例えば、筋肉トレーニングする上で重要な塩分摂取量はどれくらいがベストなのでしょうか。また、普段から高血圧の病気を予防するために減塩されている方も多いと思いますが、運動中に塩分過少になると身体に悪影響を及ぼすこともあると言われています。

今回は、筋トレ時に塩分をカットするリスクや、トレーニング後に摂取すべき塩分量などに焦点を当てて説明していきます。

<監修>
甲斐沼孟
国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科。
救急診療のみならず、消化器外科や心臓血管外科、総合診療領域に精通しており、学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行う。

塩分が身体で果たしている役割

まずは塩分がそもそもどのような役割を体内で持っているのか、あるいは塩分を過剰に摂取した場合や逆に塩分過少になった場合のデメリットなどを知っておく必要がありますね。

人の身体の中には、常に一定の割合で塩分が含まれており、この塩分は生命に直結する大切な働きを様々な観点から行っています。炭水化物やタンパク質、脂肪分が身体を動かすエネルギー源になる一方で、塩分の役割は端的に言えば体内のいろいろなシステムの働きを守って維持することです。

例えば、塩分は私たちの身体の中の血液や消化液、あるいはリンパ液などの体液成分にイオンの状態で溶けており、細胞内外における体液浸透圧を調整しそのバランスを一定に保つ役割を担っています。

それ以外にも、血液や消化液中に含まれる塩分は、食べ物の消化を助けたり、細胞を守ったり、神経や筋肉を含む体の状態を整える重要な働きをしています。

通常であれば、体内で塩分不足になると痙攣やしびれなどを引き起こします。逆に塩分を摂りすぎると体に悪影響を与えて、例えば血圧が高くなりやすく、動脈硬化が進行して生活習慣病につながります。

つまり塩分を過剰に少なくしすぎても、摂取しすぎてもいいことはありませんので日々の生活において十分に注意が必要です。

トレーニング中は塩分を失いやすく要注意

さて、トレーニング中に汗をかくとどれくらい塩分が失われるのか気になりますよね。ここでは一般的に汗に含まれる塩分量や熱中症対策でもこまめな塩分補給が推奨されている理由などを中心に説明していきます。

基本的に、私たちの身体には約1%の食塩水と同じ浸透圧の血液が循環しています。汗に含まれる塩分量は0.3%と言われていますので、約1Lの汗をかいたとすれば、およそ3gの塩分が失われるという計算になります。

仮にトレーニングをして汗をかいた肌をなめると塩辛い味がすることからわかるように、汗にはナトリウムが含まれています。大量に汗をかいてナトリウムが失われたとき、水だけを飲むと血液のナトリウム濃度が薄まり、これ以上ナトリウム濃度を下げないために水を飲みたい願望がなくなると同時に余分な水分を尿として排泄します。

これが自発的脱水症と呼ばれるものであり、この状態になると汗をかく前の体液の量を回復できなくなり、運動能力が低下し、体温が上昇して、熱中症の原因となります。このような背景もあって、熱中症予防の水分補給としては日本スポーツ協会によると、0.1~0.2%の食塩分と糖質を含んだ飲料を推奨しています。

水だけを補給するのは要注意、こまめな塩分補給が重要

筋トレ中に水だけを補給するのは要注意。こまめな塩分補給もあわせて意識する必要があります。トレーニング中に塩分を取るべき理由は大きく分けて2つあります。

1つ目は、痙攣の防止をするためです。
筋トレ中は汗をかき、喉も渇くので水分を多くとりますが、水分ばかりを多く体に取り入れてしまうと体内の塩分量が薄まり、頭痛や吐き気、痙攣を起こしやすくなります。

これらの症状が引き起こされるのは、低ナトリウム血症に陥るためで、塩分を取らないと体内での塩の成分であるナトリウムの濃度が低下することが原因です。万が一、筋トレ中に足がつってしまうとトレーニング機械に巻き込まれるなどの二次災害にもつながるので大変危険であると考えられます。

2つ目は、脱水症状を防ぐためです。
筋トレ中に汗をかいたときに、水分だけ摂っている人は要注意です。先にも書いたとおり発汗したときに水だけを飲んでも尿成分になるだけで、血管内の脱水は回復しません。塩分を水分と同時に取らないと、脱水状態から回復できないことを意識してトレーニングを行うように心がけましょう。

トレーニング時に用意しておきたい塩分補給方法

さて、トレーニングしている際に手軽に塩分補給できる方法はあるのでしょうか。

スポーツ時は多くの水分を消費しますので、こまめな水分補給が欠かせないのと同時に塩分やアミノ酸も、水分補給の際に取り入れておきたいものです。

運動で汗をかけば、たくさんの水分や塩分が失われていくために、運動する際には適切な水分補給のみならず電解質とミネラルの補給も重要です。

電解質とミネラルは、浸透圧の調節や神経伝達、筋肉の収縮といった役割を担っており、特にその中でも塩分としてのナトリウムイオンは水分コントロールや筋肉の収縮に役立つと言われているのでカラダにとってたいへん重要な物質です。スポーツ用に飲み物を購入するときは、イオン飲料かどうかをチェックしてみるといいかもしれませんね。

水分がわりのスポーツ飲料は水分に加えて塩分を補給できますが塩分を摂り過ぎると血圧の上昇にもつながり悪影響を及ぼしますので、運動中は特に塩分を知らず知らずのうちに摂り過ぎないように注意する必要があります。

具体的には、トレーニング時間が1時間にも満たないような軽い運動をする場合には純粋な水を用意して、それを超えてくる強度の高い運動量であればスポーツ飲料や塩分タブレットなどを準備されることをお勧めします。

まとめ

暑い時期の運動や筋トレ時などで気をつけるキーワードは塩分補給です。人は誰しもエクササイズすると汗で水分を失うと同時に塩分も失ってしまいます。

特に熱中症を心配する時期になれば汗をかく量が相対的に増えます。失う塩分も多くなるため塩分の補給量にも少なからず気をつける必要があると考えられます。

ただし、塩分の摂取量が過剰に多いことで起こる高血圧について懸念される方も多くいらっしゃるでしょうから、一概に沢山摂ればいいと言うものではないことを十分に認識しておきましょう。

そして、水分を補う必要性を理解するだけでなく、塩分を正しく健康的に摂取できるように心がけて理想的な運動生活を実現しましょう。

【参考文献】
1)岡崎和伸:運動時の体液変化とその循環および体温調節への影響. 循環制御. 2018 年 39 巻 2 号 p. 82-90

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