トレーニング期間の糖質制限もやりすぎは禁物?糖もエネルギー源として上手に摂取しよう

トレーニング期間の糖質制限もやりすぎは禁物?糖もエネルギー源として上手に摂取しよう トレーニング期間の糖質制限もやりすぎは禁物?糖もエネルギー源として上手に摂取しよう

運動や筋トレに色々な種類があるように、食事法にも色々な種類や方法があります。その中でも減量目的で最も知られているのは糖質制限ではないでしょうか。ダイエット目的の運動と同時に糖質制限を行ったことがあるという方も多いかもしれません。

糖質制限は確かに減量に効果的な側面もありますが、やりすぎることでかえって筋肉が落ちてしまったり、体調を崩してしまったりすることもあります。今回は糖質との正しい付き合い方について解説していきます。

<監修>
杉山典子
女子栄養大学を卒業後、管理栄養士として保育園での食育や栄養管理に従事。
その後行政で特定保健指導などに携わり、現在は分子整合栄養医学に基づくクリニックで
栄養指導やサプリメントの相談などを行う。

糖質制限とは?

糖質制限という食事法はもともと糖尿病の新しい治療法として使われていましたが、今ではダイエット=糖質制限と言っても良いくらい、インターネットや雑誌などで特集もよく組まれています。

私たちの体を作る基本的な栄養素には「炭水化物」、「タンパク質」、「脂質」があり、これらを三大栄養素と呼びます。その中で糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いたものを指します。

糖質は、ごはんやパン、麺類などの主食、お菓子やジュースなどに多く含まれています。糖質制限ではこれらの糖質を控える代わりに、肉や魚などに多く含まれるタンパク質や脂質は摂取する手法が取られることが多いです。

糖質は体の中でエネルギー源として働き、使いきれなかった糖質は脂肪となって体に蓄えられ肥満の原因となります。糖質制限をすることで体はエネルギー不足となり、蓄えられた中性脂肪や体脂肪を分解してエネルギーを作り出すため効果的に体重を落とすことができます。

糖質制限中にトレーニングは行うべきか?

糖質制限中にトレーニングは行うべきか? 糖質制限中にトレーニングは行うべきか?

食事から消化吸収された糖質はグルコースという形で血液中に流れエネルギーを必要とする各臓器に届けられます。そのうち一部はグリコーゲンという形で肝臓や筋肉に蓄えられ必要に応じグルコースに分解されエネルギー源として使われます。

筋肉に蓄えられたグリコーゲンは筋肉にしか使えず、筋肉のエネルギー源として利用します。糖質制限などから体内のグリコーゲンが枯渇してくると体はエネルギー不足になり、タンパク質を分解してエネルギーに変換してしまいます。筋肉はタンパク質で構成されていますので、筋肉も分解されてしまい筋肉量が減少してしまいます。

トレーニングや筋トレを行い、いくらプロテインを飲んでも、過度な糖質制限をしているとせっかくついた筋肉が分解されてエネルギーとして使われてしまい、プロテインが筋肉の合成に使われずにエネルギー源として使われてしまう、といったことになってしまいます。トレーニング前には糖質制限中であっても糖質を補給することをお勧めします。

糖質との正しい付き合い方

糖質制限ではタンパク質の積極的な摂取が進められていますが、日本人は消化機能が弱いため、高タンパク質の食事は消化に負担がかかり、胃もたれや消化不良を起こしやすくなってしまいます。消化にももちろんエネルギーが必要です。糖質制限によってエネルギー不足になり、さらに消化力が弱まるとタンパク質だけでなく脂質などの消化吸収も低下するため、体はますますエネルギー不足に陥ってしまいます。

繰り返しますが、糖質は体内ではエネルギー源の役割があります。また、糖質を控えるために主食を抜いてしまうと食物繊維の摂取も自然と減ってしまう傾向があります。食物繊維は腸内細菌の餌となるため、食物繊維不足で便秘や腸内環境の悪化に繋がる可能性があります。

トレーニング中だけでなく糖質制限をされている方は以下のポイントに気をつけると良いでしょう。
①主食までカットするような過度な糖質制限はしない
②消化力を高める。(消化酵素の服用など利用するのも一つの方法です)
③食物繊維の確保に野菜はしっかり食べる

まとめ

糖質制限の効果はまだ明らかになっていない部分も多くあり、自己流の過度な糖質制限は、筋肉量を落とし、体のエネルギー代謝に悪影響を与えてしまう可能性も否定できません。

糖質の摂取は筋肉の分解抑制作用もありますので、糖質を悪者にせず、適度に摂ることが大切であるということを知り、トレーニング中うまく糖質と付き合ってみてください。