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学校の長期欠席につながる!?「慢性連日性頭痛」とは?

子どもが毎日強い頭痛を訴えている場合、「慢性連日性頭痛」の可能性もあります。

重症化すると学校の長期欠席にもつながるため、「たかが頭痛」と侮らず、適切に対応していきましょう。

<監修>
藤田光江先生

北海道大学医学部卒業。北海道社会保険病院、新千里病院(現 済生会千里病院)などを経て、1980年から筑波学園病院小児科部長、2010年定年退職後、同病院および東京クリニック小児・思春期頭痛外来で診療。

目次

「慢性連日性頭痛」とは?

「慢性連日性頭痛」とは、1日に4時間以上、1カ月に15日以上、3カ月以上持続する頭痛とされています。片頭痛や緊張型頭痛が慢性化したもので、子どもの症状としては次のような特徴があります。

・なだらかな頭痛から強い持続性頭痛まで程度は様々。
・日常生活に支障が出る。
・薬が効きにくい。
・学校の長期欠席につながることがある。

慢性連日性頭痛は、突然重症になるのではなく、繰り返し起きていた緊張型頭痛が慢性化して、それが次第に長期欠席につながる重度の慢性緊張型頭痛になる傾向にあります。

そのため、軽度の緊張型頭痛の段階で、生活環境を整えるなどの対応をしていれば、重症化を防げる可能性はあります。

では、子どもの慢性連日性頭痛の要因について見ていきましょう。

慢性連日性頭痛の要因①:過去の頭痛の経験

もともと片頭痛もちだった子どもに、生活の疲れなどから緊張型頭痛が加わり、頭痛が慢性化することで慢性連日性頭痛になるケースが見られます。

薬が効かない頭痛が増えた場合は、緊張型頭痛が加わった可能性が高いので注意が必要です。

慢性連日性頭痛の要因②:思春期という年齢

思春期は、個人差はありますが小学校6年生頃から始まります。この時期、中学受験を目指す子どもは塾通いなどで睡眠不足になったり、ストレスを抱えたりしがちで、それによって頭痛が起こりやすくなっています。

また、中学校や高校へ入学すると環境が大きく変化するため、それが見えないストレスになることも。夏休み前まではなんとか頑張っていますが、休みが開ける9月から頭痛や体調不良を訴え、欠席が増える子どもが多く見られるのも事実です。

この場合は、子どもの心が成長することで治っていくことも多いので、親は「子どもが不登校になるのでは?」などと過剰な心配をせず、生活環境を整えて、待ってあげる姿勢が大切です。

慢性連日性頭痛の要因③:自分を出すのが苦手な性格特性

慢性連日性頭痛の子どもは、自分を出すのが苦手で、大人にとってはいわゆる「良い子」のことが多いです。反抗していない子は要注意なのです。

こうした子どもの場合は、ムカッとした時に「うるさい!」「分かってるよ!」と口に出して言うなど、自分を出せるようにすると回復につながります。

慢性連日性頭痛と共存しやすい病気とは?

子どもの慢性連日性頭痛は、次のような病気と共存しやすいことが分かっています。それぞれ治療法が異なるため、症状を見逃さないようにしましょう。

・起立性調節障害
循環器系の自律神経の機能不全により、朝はなかなか起きられない、立ちくらみやめまいを起こしやすいなどの症状が起こる病気です。起立性調節障害は連日性の頭痛が共存すると、薬物療法の効果は低く、生活環境の調整や心のケアが必要になります。

・過敏性腸症候群
過敏性腸症候群には反復性腹痛型、便秘型、下痢型、ガス型の4タイプがあり、朝、登校しようと思うと腹痛が起こったり、排便したいのに出なくてトイレにこもったりする子どもは過敏性腸症候群が疑われます。薬での治療効果が高い場合が多いので、早めに病気に気づき、治療を開始することが大切です。

・精神疾患
頭痛専門外来に通院の患児210人を調査したところ、その多くに不登校や不規則登校が認められ、不安症群や身体症状症、うつ病、適応障害などの精神疾患、またはその疑いがあることが分かりました。
中でも多いのが、不安症群(不安障害)で、長期休暇中や休日は元気なのに、学校のある平日に頭痛を訴えて登校できないといったケースが見られます。

このように、平日の朝に頭痛を訴え登校できない場合は、慢性連日性頭痛になり、長期欠席につながる可能性があります。子どもが頭痛や腹痛を訴える場合、ゆっくり対話する時間をとり、何か無理をしていないかなど聞いてあげてください。

元気に学校に通えないのは、子どもにとってもつらいことです。早い段階で気づき、重症化を防ぎましょう。