2020年 花粉予報・飛散量のまとめ

2020年春の花粉飛散量はどれくらい? いつ頃から飛び始めるの?
――気になるスギ・ヒノキ花粉の飛散量の情報を日本気象協会の発表をもとに、専門医にご意見と対策を尋ねました。

2020年 全国の花粉飛散量予報マップ

2020年シーズンの花粉飛散量予報マップなどの最新情報は、本格的な花粉のシーズンに入る前から公開されます。お住いの地域の花粉情報を常にチェックして対策に生かしましょう!

花粉の飛散量と飛散開始時期を予想

スギ・ヒノキ花粉の飛散量予測は、例年(過去10年間の平均)、前年と比べて多いのでしょうか、少ないのでしょうか。日本気象協会が発表したデータから、専門医に2020年春の花粉症はどのような状況になりそうかお話をうかがいました。

花粉の種類について

北海道はシラカバ、その他はスギ・ヒノキ花粉の飛散量を表します。

飛散量に関する言葉の説明
程度 前シーズンとの割合
非常に多い 前シーズン(例年)の200%以上
多い 前シーズン(例年)の150%以上200%未満
やや多い 前シーズン(例年)の110%以上150%未満
前シーズン(例年)並 前シーズン(例年)の90%以上110%未満
やや少ない 前シーズン(例年)の70%以上90%未満
少ない 前シーズン(例年)の50%以上70%未満
非常に少ない 前シーズン(例年)の50%未満

※前シーズン:2019年シーズン飛散量
※例年:過去10年(2010~2019年)の平均値

2019年夏の気象に関する言葉の説明

※平年 :1981~2010年の平均値

スギ・ヒノキ花粉の飛散予測は、前年の秋に発表が始まり、順次更新されます。日本気象協会の2020年春の花粉飛散予測は、第1報が2019年10月2日に、12月5日には第2報が発表されました。それによると、スギやヒノキの花粉の飛散量は広い範囲で例年よりも少ないと予測されています。

花粉飛散量の傾向

2020年春のスギ・ヒノキ花粉の飛散は、九州から関東甲信にかけて広い範囲で例年に比べて少ないとの予測です。とくに、九州は非常に少なく、近畿や中国地方でも、飛散が非常に少ない地域があるようです。
東北はだいたい例年並みのようです。
北海道については、シラカバの花粉飛散量が例年よりもやや多いと予測されています。

ちなみに、昨シーズン(2019年)の花粉の飛散量は、九州から東北南部にかけて例年よりも多く、一方、北海道は例年よりも非常に少なかったのですが、そんな2019年春と比較すると2020年は、九州から東海にかけての飛散量は非常に少なくなる見込みで、関東甲信、北陸も少ないという予測です。
東北南部の福島では少なめですが、北部では多い傾向にあり、秋田では多いという予測が出ており、青森は非常に多いという予測です。
北海道は、シラカバの花粉飛散量が非常に多いと予測されています。

花粉飛散量の主な要因

スギ・ヒノキの花粉量は、前年の夏の天候と、前シーズンの花粉量に大きな影響を受けます。気温が高く、日照時間が長く、雨の少ない夏はスギやヒノキの花芽が多くできるため、翌年の春の飛散量が多くなるといわれています。

例年、関東から北の地方は6月にスギやヒノキの花芽ができ、7月に成長します。2019年6月、7月は梅雨明けが遅れた地域が多く、そのため雨が多く、日照時間が少ない夏となりました。梅雨明けした後も8月後半は気圧の谷の影響を受けやすく、西日本の太平洋側の降水量は非常に多く、東日本の太平洋側、西日本の日本海側でも降水量が多くなりました。これらのことから、2019年の夏にスギの花芽があまり形成されなかったと考えられるのです。
したがって、2020年春の花粉飛散量は少ないと予測されています。

例年に比べ、花粉の飛散量が少ないとの予測ですが、今後発表される花粉飛散予測をこまめにチェックし、花粉のシーズンに入ったら天気予報などで毎日チェックしましょう。

2020年 花粉飛散開始予報

スギやヒノキの花芽は、夏にできた後いったん休眠状態に入ります。その休眠から目覚める時期などによって、花粉飛散開始時期が予想できます。

花粉飛散時期の主な要因

スギやヒノキの花粉が飛び始める時期は、前年の秋以降の気温に左右されます。
春に花粉を飛ばすスギやヒノキの花芽は、前年の夏にできます。その後、「休眠」という状態に入りますが、秋から冬にかけて一定期間低温にさらされることで眠りから目覚め、開花の準備を始めます。これを「休眠打破」といいます。
休眠から目覚めた後は、気温が高くなるほど早く開花するので、1月以降、春先にかけて気温が高めだと、飛散時期は早まります。

飛散開始前にできる対策

2018年、2019年は2年連続でスギ花粉が多く飛散したため、とくにスギ花粉症の人の感受性は高いままに保たれている可能性があります。2020年のスギ花粉飛散量は少ないと予想されていますが、総花粉量が2000個/㎠以上になる見込みの地域が半数です。
また、ヒノキ花粉は多く飛散する可能性もあるので、油断することなく、早めの対策をおすすめします。とくに、早い時期から症状の出る人は、2月初めにはしっかりと対策を始めましょう。

過去の花粉飛散量と患者数の推移データからわかること

東京都では、これまで「花粉症患者実態調査」を3回行っています。
第1回目の調査は1983年から1987年にかけて行われ、その後1996年、2006年と行われています。
この調査からは、花粉飛散量が多い年と少ない年がほぼ交互で現れることと、飛散量の累積値は年々多くなっていることがわかります。
同時に花粉症の患者数も調査の回を追うごとに増えています。
これは、東京都が行った限定的な調査ではありますが、花粉症の飛散量と患者数の推移の傾向は他の地域でも当てはまるのではないでしょうか。

花粉予報から見えた2020年春の傾向と対策

2020年春は、スギ花粉の飛散量が少なく、ヒノキ花粉も大量飛散というわけではなさそうです。
しかし、総花粉量が2000個/㎠を越えると花粉症の症状は例年通りに出るので、「今年は花粉飛散量が少ない」と侮らず、治療と対策はいつも通りに行いましょう。そうすることで、より快適に春を過ごせるはずです。

参考

教えてくれた先生

松脇 由典 先生
松脇 由典 先生
医療法人社団 恵芳会
松脇クリニック品川 院長
耳鼻咽喉科・アレルギー科医師
松脇クリニック品川
【略歴】
1994年3月
東京慈恵会医科大学 医学部 医学科卒業
1994年5月
東京慈恵会医科大学付属病院にて研修開始
2006年8月
東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科講座 講師
医療法人社団恵芳会 松脇クリニック品川 
理事長
現在に至る
【学会】

日本耳鼻咽喉科学会・専門医/日本アレルギー学会・専門医/日本鼻科学会
耳鼻咽喉科臨床学会/耳鼻咽喉科短期滞在手術研究会/
品川気道アレルギー研究会・代表
アレルギー・好酸球研究会

【賞罰】
平成24年
日本鼻科学会 第19回学会賞
平成18年
米国アレルギー喘息免疫学会 
Featured presentation
平成17年
東京慈恵会医科大学 金杉賞